足首をひねった・捻挫を繰り返す

「歩いていて段差でひねった」「スポーツ中に足首を内側に返してしまった」「以前から何度も捻挫している」——足首の捻挫は、日常でもスポーツでも起こりやすいケガです。

多くは時間とともに落ち着きますが、そのなかに骨折が隠れていることがあります。 また、最初の捻挫でしっかり治しきらないと、繰り返すようになることも知られています。

まず確認:受診したほうがよいサイン

  • 体重をかけて歩けない(4歩以上続けて歩けない)
  • くるぶしの骨のきわを押すと強く痛む
  • 足の甲の外側・小指側の骨を押すと痛む
  • 腫れが強く、内出血が広く広がっている
  • 変形している、感覚が鈍い、足先の色が悪い
  • お子さんの捻挫(成長期の骨は、靭帯より先に骨のほうが傷むことがあります)

とくに体重をかけて歩けない場合と骨のきわの痛みは、レントゲンで確かめる目安とされています。「捻挫だと思っていたら骨折だった」は珍しくありません。

受傷直後にすること

腫れと内出血を抑えることが、その後の回復に影響します。

  1. 安全な場所へ移動し、体重をかけない
  2. 冷やす:氷のうやアイスパックを、タオル越しに15〜20分ほど
  3. 圧迫する:包帯や着圧サポーターで、締めつけすぎない程度に
  4. 心臓より高く上げる:座るときはクッションなどで足を上げる

これらは応急の対応で、治療ではありません。 とくに最初の数日で腫れが強い場合は、早めにご相談ください。

「冷やしすぎ」「安静にしすぎ」は回復を遅らせることが指摘されています。腫れと痛みが落ち着いてきたら、痛みのない範囲で少しずつ動かしていくほうが回復は早いと考えられています。どの時期にどこまで動かすかは、状態によって変わります。

「歩けるから大丈夫」とは限りません

捻挫のあと歩けてしまうため、受診せずに過ごす方は多くいらっしゃいます。しかし、次のようなことが起こりえます。

  • 靭帯がゆるんだまま治り、足首が不安定になる
  • 繰り返すうちに、軟骨が傷む
  • 剥離骨折を見逃す(小さな骨片が剥がれている状態)

とくに繰り返す捻挫は、そのたびに靭帯と軟骨への負担が積み重なります。「またやってしまった」が続いている方は、一度状態を確かめておくことをおすすめします。

→ くわしくは足関節捻挫・慢性足関節不安定症をご覧ください。

ひねりやすい場面には共通点があります

捻挫は「不注意」で起こるとは限りません。足首が対応しきれない条件が重なったときに起こります。

  • 段差・階段の下り:体重が前にかかった状態で着地するため、足首が傾きやすくなります。
  • 人混みや急ぎ足:足元を見られず、着地の準備ができません。
  • かかとの高い靴・脱げやすい履物:足首の位置が高くなるほど傾きやすく、サンダルは踏ん張りがききません。
  • 疲れているとき・夕方:筋肉の反応が鈍り、とっさに支えられなくなります。
  • すり減った靴:靴底の外側だけがすり減っていると、立っているだけで足首が傾きます。

靴底のすり減り方は、その方の体重のかけ方を映しています。 診察のときに、普段履いている靴をお持ちいただくと参考になります。

ご自宅でできること

  • 腫れている時期は、足を高くして休む。 座っているときも足を下げたままにしないでください。
  • 痛みのない範囲で足首を動かす。 つま先を上下に動かす、ゆっくり回すなど、固まらせないことが大切です。
  • ふくらはぎを動かす。 足首を動かさない期間が続くと、ふくらはぎの筋肉が落ちます。
  • 片脚立ちを習慣に。 痛みが引いたら、歯磨きのあいだなど、日常のなかで取り入れられます。
  • 靴を見直す。 かかとがしっかり包まれ、靴のなかで足が前に滑らないものを選んでください。

当院での診察の流れ

  1. 問診:どのようにひねったか、直後に歩けたか、過去の捻挫の回数をうかがいます。
  2. 診察:腫れと内出血の範囲、押して痛む場所、靭帯のゆるみ、足首の動く範囲を確認します。
  3. レントゲン:骨折の有無を確認します。必要に応じて足首を動かした状態で撮影することがあります。
  4. 方針のご提案:固定の要否、体重をかけてよい範囲、リハビリの開始時期をご説明します。
  5. リハビリテーション:理学療法士が、足首の動きとバランス(バランス感覚の回復)を確認しながら進めます。

捻挫のリハビリで大切なのは、可動域と「バランス感覚」の回復です。 これが戻らないと、また同じようにひねりやすくなります。

→ リハビリテーション科

スポーツへの復帰について

痛みが引いたことと、競技に戻れることは別です。復帰の目安になるのは次のような点です。

  • 腫れが引き、足首が反対側と同じように動く
  • 片脚でしっかり立てる、その状態でぐらつかない
  • 走る・切り返す動作で不安がない
  • テーピングや装具の要否を確認できている

痛みだけを基準に戻ると、再受傷につながります。 復帰の時期は、競技の種類と動作を含めてご相談ください。

よくあるご質問

Q. 湿布を貼って様子を見てもよいですか?
腫れが軽く、体重をかけて歩けるのであれば、数日様子を見ていただいて差し支えありません。ただし、歩けない・骨のきわが痛む場合は、レントゲンで確かめることをおすすめします。

Q. 捻挫が癖になると言いますが、本当ですか?
一度の捻挫で靭帯がゆるんだまま治ると、足首が不安定になり、ひねりやすくなることがあります。「癖」というより、状態が残っていると考えるほうが実際に近いと思います。

Q. 固定はどのくらい必要ですか?
損傷の程度によって変わります。長く固定しすぎると、足首が固くなり筋力も落ちるため、必要な期間だけ固定して、早めに動かし始めるのが基本的な考え方です。

Q. 子どもが捻挫しました。大人と同じでよいですか?
成長期の骨は、靭帯より弱い部分(成長軟骨)があり、捻挫に見えて骨の損傷が起きていることがあります。 レントゲンで確認しておくことをおすすめします。

Q. 何科を受診すればよいですか?
足首の捻挫は整形外科が専門です。当院では整形外科専門医が診察し、レントゲンで骨折の有無を確認したうえで方針をご提案します。

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