ニキビ・ニキビ跡が気になる方へ
「ニキビはだいぶ落ち着いたのに、赤みや跡が残ってしまった」「クレーターのようなへこみが気になる」——ニキビそのものは治まっても、跡が残ってしまうことは少なくありません。ニキビ跡には、赤み・茶色い色素沈着・へこみ(瘢痕)など、いくつかのタイプがあり、タイプによって見通しや向いている対応は異なります。当院では、皮膚科専門医による診察のうえで、跡の状態に応じたケミカルピーリング・マッサージピール・高濃度ビタミンC点滴などの美容メニューをご提案しています。なお、今あるニキビ・新しくできるニキビは保険診療の対象であり、美容診療とは役割が異なります。このページでは、保険診療との使い分けを中心に、ニキビ跡のタイプ別の見通しと、当院の美容メニューの選び方をご説明します。ご紹介する美容メニューは自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。
ニキビ跡とは ― 「治った後」に残るお悩みです
ニキビ跡は、赤く腫れたニキビや膿をもったニキビなど、炎症の強い状態が続いた後に残ることがあります。主なタイプは次のとおりです。
- 赤み(炎症後紅斑):炎症があった部分の血管が拡張し、赤みとして残っている状態です。
- 色素沈着(炎症後色素沈着):炎症による刺激で、メラニンが沈着し茶色っぽく見える状態です。
- へこみ(瘢痕・クレーター状の跡):皮膚の深い部分まで組織が壊れ、修復の過程でへこみとして残った状態です。
同じ「ニキビ跡」という言葉でも、タイプによって皮膚の中で起きていることが違います。そのため、跡の状態を丁寧に見きわめたうえで、どのような対応が現実的かをご説明することを大切にしています。
まず知っておきたいこと ― 保険診療と美容診療の使い分け
ニキビ・ニキビ跡のお悩みを考えるうえで、もっとも大切なのが「いま何を治療する段階なのか」を整理することです。
- 今あるニキビ・新しくできるニキビ:赤く腫れたニキビ、膿をもったニキビ、白ニキビ・黒ニキビなど、進行中のニキビは、外用薬・内服薬・面皰圧出などの保険診療の対象です。詳しくはニキビ治療(保険診療)のページをご覧ください。
- 炎症が治まった後に残った跡(赤み・色素沈着・へこみ):保険診療のお薬では改善がむずかしく、自由診療(美容診療)の対象となります。当院の美容メニューで、跡の状態に応じた対応をご提案します。
つまり、今ニキビができている段階であれば、まずは保険診療でしっかり治療し、跡を残さないようにすることが基本です。跡になってから美容診療で対応するよりも、跡になる前に治療することのほうが、負担が少なくすみます。すでに跡が残ってしまっている場合は、このページでご紹介する美容メニューをご検討ください。なお、保険診療と自由診療を同時に併用することはできません。どちらの治療が今の状態に適しているかは、診察のうえでご説明します。
ニキビ跡のタイプ別に見る、現実的な見通し
ニキビ跡は、タイプによって時間の経過とともに変化する度合いが異なります。過度な期待をせず、現実的な見通しを持っておくことも大切だと考えています。
- 赤み:炎症が治まった後、時間の経過とともにうすくなっていくこともあります。ただし、赤みが続いている間は紫外線や刺激の影響を受けやすいため、日焼け対策やこすらないケアを続けることが前提になります。
- 色素沈着:赤みと同様、時間とともにうすくなっていくことがありますが、色素の状態によっては時間がかかる場合もあります。
- へこみ(瘢痕):赤み・色素沈着に比べて、自然には元に戻りにくいのが実際のところです。皮膚の深い部分の組織が変化しているため、スキンケアだけでの改善は期待しにくく、状態に応じた美容メニューを組み合わせて検討することになります。
跡のタイプは、お一人おひとりで異なり、複数のタイプが混在していることも珍しくありません。まずは診察でどのタイプが中心かを確認したうえで、選び方をご説明します。
当院の美容メニューの選び方
跡の状態や悩みの内容に応じて、次のようなメニューから選択肢をご提案しています。いずれも自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。
ケミカルピーリング
古い角質や毛穴の詰まりに働きかける薬剤を肌に塗布する施術です。毛穴づまりや、色素沈着・肌のごわつきが気になる方に用いることがあります。一度で完結するものではなく、経過をみながら回数を重ねていく施術です。
マッサージピール(コラーゲンピール)
肌質改善を目的としたピーリングで、マッサージするように塗布していく施術です。肌のハリやきめの乱れ、色素沈着が気になる方の選択肢としてご案内しています。詳しくはマッサージピールのページをご覧ください。
高濃度ビタミンC点滴
ビタミンCを点滴で補う自由診療のメニューです。肌のコンディションを整える目的で、ニキビ跡の色素沈着が気になる方の選択肢のひとつとしてご案内することがあります。詳しくは高濃度ビタミンC点滴のページをご覧ください。
難治ニキビにはイソトレチノイン内服という選択肢も
すでに跡が残っている方だけでなく、保険診療の外用薬・内服薬を続けても改善が不十分で、これ以上跡を増やしたくないという方には、自由診療の「イソトレチノイン」内服による選択肢もあります。皮脂の分泌や毛穴の詰まりに根本的に働きかけるお薬ですが、日本では現時点で国内承認された医薬品がなく、妊娠中・妊娠の可能性のある方・授乳中の方は使用できないなど、副作用の管理が欠かせないお薬です。詳しい内容はニキビ治療(保険診療)のページ、および本ページ下部の「この治療を受けられる前に」でご説明しています。
※ケミカルピーリング・マッサージピール・高濃度ビタミンC点滴・イソトレチノイン内服は、いずれも自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。
どのメニューが向いているかは、跡のタイプや肌の状態によって異なります。自己判断で選ぶのではなく、皮膚科専門医による診察のうえでご提案しますので、まずはご相談ください。
ご自宅でできること(セルフケア)
ニキビ跡を増やさない、悪化させないためには、日々のケアも大切です。
- こすらない:洗顔やスキンケアのときにゴシゴシこするのは避けましょう。こすることは、赤みや色素沈着を悪化させる原因になります。よく泡立てた洗顔料で、やさしく洗うことを心がけてください。
- 触らない・潰さない:気になっても指で触ったり、無理に潰したりしないようにしましょう。皮膚を傷つけると、跡が残りやすくなります。
- 紫外線対策:赤みや色素沈着は、紫外線の影響を受けるとより目立ちやすくなることがあります。日焼け止めなど、日々の紫外線対策を心がけましょう。
- 保湿:肌のバリア機能を保つため、刺激の少ない保湿剤でのケアを続けましょう。
セルフケアだけでは改善がむずかしいと感じる場合や、今もニキビが繰り返しできている場合は、我慢せず医療機関にご相談ください。
受診の目安(こんなときはご相談ください)
- 赤み・色素沈着が数か月経っても薄くならない
- へこみ(クレーター状の跡)が気になる
- 今もニキビが繰り返しでき、跡がこれ以上増えないか心配
- どの治療が自分の跡のタイプに合っているかわからない
こうした場合は、自己判断でスキンケアや市販品を試す前に、まずは診察でご相談ください。跡のタイプを確認したうえで、保険診療と美容診療のどちらが今の状態に適しているかをご説明します。
よくあるご質問
Q. ニキビ跡は消えますか?
跡のタイプによって見通しは異なります。赤みや色素沈着は時間の経過とともにうすくなっていくこともありますが、へこみ(瘢痕)は自然には元に戻りにくいのが実際のところです。まずは診察で跡のタイプを確認し、現実的な見通しと選択肢をご説明します。
Q. 今もニキビがあるのですが、跡の治療から始められますか?
今あるニキビ・新しくできるニキビは、まず保険診療での治療を優先することをおすすめしています。新しいニキビができ続けている状態で跡の治療だけを進めても、跡が増えてしまうことがあるためです。保険診療でニキビ自体を落ち着かせながら、必要に応じて跡の治療を検討します。
Q. どのメニューを選べばよいかわかりません。
跡のタイプ(赤み・色素沈着・へこみ)で向いているものが変わります。診察で跡の状態を確認したうえでご提案しますので、選べないままご相談いただいて大丈夫です。
Q. 保険診療と自由診療を同時に受けることはできますか?
保険診療と自由診療を同時に併用することはできません。今の状態が保険診療の対象か、美容診療の対象かは、診察の際にご説明します。
費用(主なメニュー)
| メニュー | 区分 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| ケミカルピーリング 全顔 | 初回トライアル | 7,920円 |
| ケミカルピーリング 全顔 | 通常 | 9,900円 |
| マッサージピール 全顔 | 初回トライアル | 14,960円 |
| マッサージピール 全顔 | 通常 | 18,700円 |
| TCAクロス(10か所まで) | 1回 | 14,300円 |
| 高濃度ビタミンC点滴 12.5g | 通常 | 11,000円 |
| イソトレチノイン(アクネトレント)20mg | 22,000円 |
すべて税込・自由診療(保険適用外)です。ここに挙げたのは一部です。ほかのメニューを含む一覧は美容皮膚科の料金一覧をご覧ください。日本国外にお住まいの方は料金が異なります。
この治療を受けられる前に(費用・リスク・自由診療について)
以下は、本ページでご案内した美容メニューのうち、難治ニキビの選択肢としてご案内している「イソトレチノイン(内服)」に関する情報です。ケミカルピーリング・マッサージピール・高濃度ビタミンC点滴には該当しません(各メニューの費用・リスクは、それぞれのページ、または診察時にご説明します)。
- 自由診療である旨・費用:イソトレチノインによる治療は自由診療(保険適用外)です。費用の詳細は美容皮膚科の料金一覧、または診察時にご説明します。
- 主なリスク・副作用:皮膚・粘膜の乾燥(唇・鼻・肌・目など)、肝機能障害、脂質異常症、気分の落ち込みなどの精神面への影響、筋肉や関節の痛みなどが報告されています。治療中は定期的な血液検査で状態を確認します。とくに、妊娠中・妊娠の可能性のある方・妊活中の方(男女とも)・授乳中の方は使用できません。服用中および服用後一定期間は、確実な避妊・献血の回避が必要です。
- 未承認医薬品である旨:イソトレチノインは国内未承認の医薬品です。国内で同程度の効能・効果で承認された医薬品はありません。
- 入手経路・国内承認の有無・諸外国での承認:当院医師の判断のもと、個人輸入により入手します。米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されていますが、催奇形性や精神面への影響などの副作用も報告されています。
適応の可否は、皮膚科専門医が一人ひとりの状態を確認したうえで判断します。ご不明な点は診察時におたずねください。