Bio-Mechano Therapy(集束型体外衝撃波×PRP)
「PRP療法を受けたが、まだ痛みが残っている。次の手を探している」 「テニス肘・アキレス腱症・足底筋膜炎が長引いていて、なかなか治らない」 「体外衝撃波と再生医療(PRP)を組み合わせた治療を福岡で受けたい」
このようなお悩みをお持ちの方へ。天神トオヤクリニックでは、集束型体外衝撃波(BTL-6000 Focus®)とPRP療法を組み合わせた「Bio-Mechano Therapy」を、整形外科専門医が提供しています。
このページでわかること
- Bio-Mechano Therapyの考え方
- 集束型体外衝撃波(BTL-6000 Focus®)の特長
- 集束型と拡散型の違い
- 体外衝撃波とPRPを組み合わせる考え方と、エビデンスの現状
- 適している症状・治療の流れ・料金の目安
Bio-Mechano Therapyとは
Bio-Mechano Therapyは、PRP療法が担う「生物学的な修復(Bio:成長因子・細胞)」と、集束型体外衝撃波が担う「力学的な刺激(Mechano:音響波・機械的エネルギー)」を組み合わせる、当院の治療の組み立て方です。
当院では、この考え方を次のように整理しています。PRP療法は、治療してから少し時間が経ってからのほうが効果を感じられることが多い治療です。一方、体外衝撃波は短期的な除痛効果が得られることがあります。『乾いた土地にどれだけ良い種をまいても育たない』のと同じで、体外衝撃波で土壌を整えた環境にPRPをまくことで、組織の修復が進むことを期待しています。
※ 「Bio-Mechano Therapy」は、当院が診療のなかで用いている治療の組み立て方を指す呼称です。院長オリジナルの概念ではなく、同様の考え方はArthrex社のWebセミナーで他の医師も言及しています。この呼称と考え方は、論文で「Bio-Mechano-Therapy」として発表されたものにもとづいています(Shimizu Y. 2026)。体外衝撃波単独・PRP単独の研究データはそれぞれ蓄積されていますが、両者の組み合わせの優越性を証明したRCT(ランダム化比較試験)は現時点では限られています。治療効果には個人差があります。
体外衝撃波治療への取り組み(JAMST認定)
当院は、体外衝撃波治療に根拠を持って取り組むため、院長と理学療法士2名が学会の認定を取得しています。
院長は2025年9月28日、JAMST(日本体外衝撃波医学会)の運動器体外衝撃波治療施術者認定を取得しました(同学会 第7回学術集会)。あわせて当院の理学療法士2名も同認定を取得しており、医師と理学療法士がチームとして体外衝撃波治療にあたります。
※ 認定は、体外衝撃波治療に関する所定の研修・試験を修めたことを示すものです。特定の治療の効果を保証するものではありません。
集束型体外衝撃波(BTL-6000 Focus®)とは
集束型体外衝撃波(Focused ESWT)は、音響波を体表から患部の深部にある特定の焦点に集中させる、メスを使わない(非侵襲的な)治療法です。当院が採用するBTL-6000 Focus®は、BTL社の集束型体外衝撃波システムです。

集束型と拡散型の違い
| 集束型(BTL-6000 Focus®) | 拡散型(Radial ESWT) | |
|---|---|---|
| 波の形状 | 焦点に向けてエネルギーを収束 | 体表から広範囲に拡散 |
| エネルギーの集中点 | 深部の特定焦点(深達度の目安 最大65mm) | 主に体表〜浅層(〜30mm程度) |
| 適した病態 | 深部の腱炎・石灰化・偽関節・深部のOA | 広範囲の筋肉痛・浅層の腱炎 |
| 術中の感覚 | 不快感が比較的少ないとされる | やや感じやすい場合がある |
BTL-6000 Focus®の主なスペック(BTL社公称)
- 技術方式:電気音響方式(BTL社の方式)
- エネルギーフラックス密度(EFD):最大0.65 mJ/mm²
- 焦点サイズ:5×35 mm
- 深達度:最大65mm(3種類のカップリングパッドで調整)
- 照射周波数:最大25 Hz
- 耐久性:300万ショット
- 8.4インチ カラータッチスクリーン(照射中にパラメーター調整可能)
※ 上記の数値は、機器メーカー(BTL社)が公表している仕様です。治療の効果を示すものではありません。
※ 集束型体外衝撃波は、深部の腱炎・石灰化・偽関節などに対して国際的に広く使用されています。
なぜPRPと体外衝撃波を組み合わせるのか(作用機序の考え方)
体外衝撃波(ESWT)とPRPは、それぞれ異なる経路で組織修復・炎症抑制にかかわります。
| PRP療法(Bio:生物学的) | 集束型体外衝撃波(Mechano:力学的) | |
|---|---|---|
| 作用の性質 | 成長因子・細胞による修復 | 音響波による力学的刺激 |
| 主なはたらき | 成長因子(TGF-β・PDGF・VEGF等)を患部に供給 | 局所血流の改善・代謝促進・新生血管形成 |
| 役割のたとえ | 「種をまく」 | 「土壌を耕す」 |
| 作用の時間軸 | 即時〜中長期 | 照射後 数週間かけて組織が変化 |
前臨床(基礎研究)のデータでは、体外衝撃波の照射によりPRP由来の成長因子(TGF-β1・PDGF-ββ等)の放出が増える可能性が示されています。「体外衝撃波で組織環境を整えたうえでPRPを投与する」という順序は、この考え方にもとづく組み立てです。
難治性の膝蓋腱症(ジャンパー膝)のアスリート10名を「PRP単独」「体外衝撃波単独」「併用」の3群に分けて6ヶ月間比較した研究では、いずれの群も痛み・機能の評価が改善し、併用群では超音波検査で見た腱の構造的な改善がより大きかったと報告されています(Shimizu Y. 2026)。同研究では、体外衝撃波が組織の環境を整え、PRPの成長因子に対する細胞の反応を高める「生物学的・力学的な相乗効果」が、Bio-Mechano-Therapyの考え方として提唱されています。
ただし、この研究は10名の小規模な予備研究です。痛みや機能の評価では3群間に有意差はなく、また用いられた機器の構成は当院のものとは異なります。
※ 上記は現在研究が進められている作用機序の考え方です。臨床における併用の優越性は確立されていません。治療効果には個人差があります。
参考にした主な研究
| 文献 | 概要 | 位置づけ |
|---|---|---|
| Shimizu Y. Cureus. 2026;18(4):e106398. | 難治性膝蓋腱症のアスリート10名で、PRP単独・ESWT単独・併用の3群を比較。併用群で超音波上の構造的改善が大きかった | ランダム化比較の予備研究/サンプル規模は小 |
| Li J, et al. Pak J Med Sci. 2024;40(3):382. | 変形性膝関節症(半月板損傷合併)128名で、PRP単独・ESWT単独・併用の3群を比較した後ろ向き研究 | 査読済/後ろ向き研究 |
| Ko NY, et al. Int J Environ Res Public Health. 2022;19:9001. | 両膝OA 42名で集束型・拡散型ESWTを比較したRCT。VAS・WOMAC等で改善 | RCT/サンプル規模は小 |
| Canosa-Carro L, et al. 2024(アンブレラレビュー) | 8本のメタ解析を統合。WOMAC・VAS・ROMで有意な改善 | レビュー |
| Picelli A, et al. 2019(in vitro研究) | ESWTがヒト軟骨細胞の脱分化を抑制し、HA・PRPへの感受性を高めることを確認 | 基礎研究/臨床への外挿は限定的 |
※ 上記の文献は参考情報であり、すべての方に同じ結果が得られることを保証するものではありません。ESWT単独・PRP単独にはそれぞれ複数の研究がありますが、両者の組み合わせを直接比較したRCTは現時点では限られています。
Bio-Mechano Therapyが適している可能性がある症状・病態
- 変形性関節症:変形性膝関節症(KL分類1〜3)・股関節症・足関節症(PRP単独で効果が不十分だった方に適している可能性)
- 腱症・石灰化:腱板石灰化・アキレス腱症・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)・ゴルフ肘・ジャンパー膝・難治性の足底筋膜炎
- 骨・骨折関連:偽関節(遷延治癒骨折)・疲労骨折
- スポーツ障害全般:筋腱移行部損傷・靭帯損傷・肉離れの遷延治癒、競技復帰を目指す場合
- 再生医療との組み合わせ:PRP療法・MFATの効果を高めたい方
※ MRI等の画像検査で病態を評価したうえで、整形外科専門医が適応を判断します。悪性腫瘍・感染症・骨折急性期・妊娠中などは体外衝撃波・PRPの禁忌です。重度の骨粗鬆症の方なども照射部位により注意が必要です。
実施体制
- 使用機器・製剤:集束型体外衝撃波 BTL-6000 Focus®/PRP製剤(病態に応じて整形外科専門医が選択)
- プロトコル設計:MRI評価(連携施設:UNB住吉神社前クリニック・3T MRI)のうえで個別に設計。標準は「体外衝撃波照射(1〜3回・1週間間隔)→ PRP投与」。PRP投与後1週間以内の照射は、PRPの効果への干渉を避けるため推奨しません。
- 運動療法との連携:治療後、理学療法士と連携した運動療法までご提案します。
料金の目安(税込)
- 集束型体外衝撃波(BTL-6000 Focus®)単独照射:受付にてご確認ください(難治性足底腱膜炎に限り保険適用となる場合があり、それ以外の疾患・部位(テニス肘・ゴルフ肘等を含む)は自費診療です)
- Bio-Mechano Therapy(体外衝撃波 + 白血球除去型PRP):体外衝撃波料金 + 110,000円/回(PRP 3回が標準)
- Bio-Mechano Therapy(体外衝撃波 + 高用量PRP):体外衝撃波料金 + 330,000円(PRP 1回)
※ Bio-Mechano Therapy(体外衝撃波×PRP)は、PRP療法が保険適用外のため全額自費診療となります。MRI評価の費用は別途発生します。
治療の流れ(STEP 01〜07)
- 初診・カウンセリング(MRI評価)
- インフォームド・コンセント(治療内容・リスク・費用の説明、日程決定)
- 術前検査(PRP併用時は採血、内服薬の確認・休薬指導)
- 集束型体外衝撃波の照射(約15〜20分)
- PRP製造(院内・約30分)
- PRP投与(約5〜10分):日帰りで当日帰宅可能
- フォローアップ(1・3・6ヶ月後に評価/必要に応じMRI再評価・追加照射)
※ 体外衝撃波のセッション回数・間隔は疾患・重症度・個人差により異なります。抗凝固薬・NSAIDs服用中の方は事前にお申し出ください。
注意事項・副作用について
体外衝撃波(ESWT)の主な副作用
- 照射中・照射後の一時的な痛み・灼熱感(数時間〜1〜2日程度・多くは正常な反応)
- 照射部位の一時的な発赤・腫脹・皮下出血(比較的まれ)
- NSAIDs(消炎鎮痛剤)は治療前後の使用を控えることを推奨します
- 重度の骨粗鬆症・腫瘍・感染症・凝固障害・妊娠中の方は禁忌です
PRP療法の主な副作用
- 注射部位の一時的な痛み・腫れ・熱感(2〜3日程度・多くは正常な反応)
- NSAIDs・抗血小板薬は治療に影響する可能性があります
※ Bio-Mechano Therapyは自由診療(保険適用外。体外衝撃波単独は難治性足底腱膜炎に限り保険適用となる場合を除く)です。治療効果には個人差があります。
よくある質問(FAQ)
Q1.どのような方に適していますか?
PRP療法だけでは効果が不十分だった方、難治性の腱炎・石灰化・スポーツ障害でお悩みの方、変形性関節症(KL分類1〜3)の方などに適している可能性があります。整形外科専門医がMRI評価のうえで判断します。
Q2.体外衝撃波とPRPはどちらを先に行いますか?
当院では原則「体外衝撃波照射 → 同日または翌日以降にPRP投与」の順で行います。組織の血流・活性が高まった状態でPRPを投与する考え方です。詳細は整形外科専門医が個別に設計します。
Q3.体外衝撃波は痛いですか?
集束型は深部に精確にエネルギーを届ける方式のため、拡散型と比べて不快感は少ないとされています。石灰化や慢性炎症のある部位では一時的に痛みを感じる場合があり、照射中もエネルギーを調整できますので担当医師にお申し出ください。
Q4.体外衝撃波は保険が使えますか?
集束型体外衝撃波は、難治性足底腱膜炎(診断から6か月以上経過し、保存療法で十分な効果が得られない場合)に限り保険適用となります。テニス肘(上腕骨外側上顆炎)・ゴルフ肘など、それ以外の疾患・部位に対しては自費診療です。Bio-Mechano Therapy(体外衝撃波×PRP)はPRPが保険適用外のため全額自費診療です。詳細は受付にてご確認ください。
Q5.スポーツ選手でも受けられますか?
受けていただけます。早期の競技復帰を目指すアスリートにも対応しています。
多血小板血漿(PRP)を用いた治療は、2026年のWADA禁止表においても禁止されていません。ただし禁止表は毎年更新され、競技団体・大会によって規程が異なる場合があります。競技会に出場されている方は、最新の禁止表と所属団体の規程をご確認いただくとともに、診察時に必ずお申し出ください。
Q6.何回くらい治療が必要ですか?
疾患・重症度により異なります。体外衝撃波は1〜3回(1週間間隔)が標準的です。詳細は整形外科専門医が診察時に個別設計します。
Bio-Mechano Therapyのポイント
- Bio-Mechano Therapyは、集束型体外衝撃波(BTL-6000 Focus®)とPRP療法を組み合わせる、当院の治療の組み立て方です。
- 院長と理学療法士2名がJAMST(日本体外衝撃波医学会)の認定を取得しています。
- 変形性関節症・難治性の腱炎・スポーツ障害・石灰化・偽関節などが対象になり得ます。
- 体外衝撃波の力学的刺激とPRPの生物学的修復を組み合わせる考え方ですが、併用の優越性は確立されていません(個人差があります)。
- 治療後は理学療法士と連携した運動療法までご提案します。
まずはお気軽にご相談ください。
この治療を受けられる前に(費用・リスク・自由診療について)
Bio-Mechano Therapy(体外衝撃波×PRP)は、PRP療法が保険適用外のため自由診療となります(体外衝撃波単独は難治性足底腱膜炎に限り保険適用の場合があります)。
- ① 自由診療である旨と標準的な費用:体外衝撃波料金 + PRP料金(白血球除去型PRP 110,000円/回、高用量PRP 330,000円/回・いずれも税込)。MRI評価の費用は別途。
- ② 主なリスク・副作用:照射部位・注射部位の一時的な痛み・腫れ・熱感・発赤・皮下出血等。治療効果には個人差があります。
- ③ 未承認の医薬品・医療機器を用いる場合がある旨:本治療に用いる機器・システムは、いずれも国内で承認または認証を受けたものです。体外衝撃波機器 BTL-6000 Focus®(承認番号 30300BZX00272000)、Angel™ cPRP System(承認番号 30500BZX00054000)、PRGF-Endoret®(認証番号 30500BZI00007000)。未承認の医療機器は使用しておりません。
- ④ 入手経路・国内の承認状況・諸外国での承認状況等:体外衝撃波機器(BTL-6000 Focus®)は国内承認済みで、国内の正規流通経路で導入しています。PRPの調製に用いるシステム・キットの承認区分と入手経路は、PRP療法のページに記載しています。詳細は当院の自由診療についてもあわせてご覧ください。