足でお悩みの方

歩くと足の裏が痛い、朝起きて最初の一歩でかかとに鋭い痛みが走る、足首をひねりやすい・腫れる、足の指が変形してきた、足がしびれる――足の痛みやしびれには、さまざまな原因があります。

足は、片足だけで26個の骨と多くの関節・靭帯・腱が組み合わさった複雑な構造をしていて、立つ・歩くたびに全体重を支え続けています。それだけに痛みの原因も、足底腱膜炎・外反母趾・捻挫・アキレス腱のトラブルなど多岐にわたり、腰の神経の問題が「足のしびれ」として現れることもあります。原因によって適した治療は異なるため、まずは整形外科専門医が、足そのものの問題なのか、腰など別の場所からくるものなのかも含めて見きわめることが大切です。「痛いけれど歩けるから大丈夫」と我慢せず、お気軽にご相談ください。

こんな症状はありませんか

足首の痛み
  • 朝起きて最初の一歩で、かかとや足の裏に鋭い痛みが走る
  • 長く歩いたあとや立ち仕事のあとに、足の裏が痛む
  • 足首をひねった、捻挫を何度も繰り返している
  • 足首が痛む・腫れる、歩き始めに足首がこわばる
  • 足の親指の付け根が痛い、親指が「くの字」に曲がってきた
  • 親指の付け根が急に赤く腫れて、触れないほど痛い
  • アキレス腱のあたりが痛む、押すと痛い
  • 足の甲や指の付け根が痛む、足の裏にタコができやすい
  • 足の裏や指がしびれる

ひとつでも当てはまる場合は、足のどこかに負担が集中しているサインかもしれません。

痛む場所から考えられる主な原因

足の痛みは、「どこが・どんなときに痛むか」によって、原因をある程度しぼり込むことができます。

かかと・足の裏が痛い ― 足底腱膜炎

足の裏には、かかとから指の付け根まで、土踏まずのアーチを支える「足底腱膜」という丈夫な膜が張っています。この腱膜の付け根(かかと側)に繰り返し負担がかかり、炎症や変性が起こるのが足底腱膜炎です。朝起きて最初の一歩でかかとに鋭い痛みが走り、歩いているうちに少し楽になるのが典型的な症状で、長時間の立ち仕事・ランニング・体重の増加・クッション性の乏しい靴などが誘因になります。多くは保存療法で改善しますが、半年以上痛みが続く難治性のものには、体外衝撃波治療という選択肢があります(後述)。

足の親指の付け根が痛い ― 外反母趾・痛風の可能性

親指が小指側へ「くの字」に曲がり、付け根の出っ張りが靴に当たって痛むのが外反母趾です。幅の狭い靴やヒール、足のアーチの崩れが関係し、進行すると靴を履くたびに痛んだり、隣の指と重なったりします。

一方、前ぶれなく親指の付け根が赤く腫れ上がり、触れないほど激しく痛む場合は、痛風発作(血液中の尿酸が関節の中で結晶になって起こる急性の関節炎)の可能性があります。見た目が似ていても対処はまったく異なるため、自己判断せず受診をおすすめします。

足首が痛い・腫れる ― 捻挫・変形性足関節症

段差やスポーツで足首をひねる捻挫は、足首の靭帯の損傷です。捻挫のあとの痛みや腫れが長引く、足首の曲げ伸ばしで痛む、歩き始めに足首がこわばる、といった場合は、靭帯の傷が十分に治っていない、あるいは変形性足関節症(足首の軟骨がすり減って痛む病気)が始まっている可能性があります。

アキレス腱のあたりが痛い ― アキレス腱周囲炎・アキレス腱症

ランニングやジャンプ、長時間の歩行などでアキレス腱に繰り返し負担がかかると、腱やその周囲に炎症・変性が起こります。運動のし始めに痛み、体が温まると楽になり、運動後にまた痛む、というパターンが典型的です。負担をかけ続けると慢性化しやすいため、早めの対応が大切です。

足の甲・指の付け根が痛い ― 扁平足・開帳足・中足骨痛症

土踏まずのアーチが下がる扁平足や、足の横方向のアーチが崩れる開帳足があると、足の甲や指の付け根に体重の負担が集中し、歩くと痛む・足が疲れやすい・足の裏にタコができやすいといった症状が出ます(中足骨痛症)。インソールなどでアーチを支えることが治療の中心になります。

足がしびれる ― 腰からきていることも

足の裏や指のしびれは、足そのものではなく、腰の神経の圧迫(腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニアなど)が原因のことがあります。当院では、足だけを見るのではなく、腰からの症状の可能性も含めて診察します。→ 腰でお悩みの方

当院の足の診療

当院では、足の痛みに対して「正確な診断→保存療法→改善が不十分な場合の次の選択肢」という段階を大切にしています。

1. 診察・画像評価で原因を見きわめる

症状の経過に加え、靴・仕事・運動の状況を丁寧にお伺いし、レントゲンで骨や関節の状態を確認します。腱や靭帯の状態を詳しく調べる必要がある場合は超音波検査を、さらに詳しい評価が必要な場合はMRI検査を行います(連携施設での検査に対応しています)。

2. 保存療法(保険診療が基本)

原因と重症度に応じて、次のような治療を組み合わせます。

  • 薬物療法:痛みと炎症を抑える内服・湿布など
  • 運動療法(リハビリテーション):理学療法士が、ふくらはぎや足の裏のストレッチ、足のアーチを支える筋力訓練、負担のかかりにくい体の使い方を指導します
  • 装具療法:インソール(足底挿板)やサポーターで足のアーチを支え、患部への負担を軽減します
  • 物理療法:超音波治療・ラジオ波治療などの機器を症状に応じて併用します

3. 難治性の痛みへの次の選択肢

体外衝撃波治療:保存療法を続けても改善しない難治性の足底腱膜炎やアキレス腱の痛みには、体の外から衝撃波を患部に照射して組織の修復を促す、体外衝撃波治療をご提案できる場合があります。→ 体外衝撃波治療

※ 体外衝撃波治療が保険適用となるのは、難治性足底腱膜炎(診断から6か月以上経過し、投薬・リハビリなどの保存療法で十分な効果が得られない場合)です。それ以外の足底腱膜炎や他の部位・疾患に対しては自費診療となります。

体外衝撃波の機器(BTL-6000)

再生医療:捻挫後の慢性的な痛みや変形性足関節症などで保存療法の効果が不十分な場合には、PRP療法などの再生医療という選択肢もご提案できます。※自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。→ 足首の再生医療

進行した外反母趾の変形など、手術が適していると判断した場合は、連携する専門医療機関へ責任を持ってご紹介します。

朝の一歩目だけかかとが痛いのですが、受診したほうがいいですか?

「歩いているうちに楽になるから」と様子を見ているうちに、数か月単位で痛みが続いてしまう――足底腱膜炎では、とても多い経過です。朝の一歩目やしばらく座ったあとの歩き始めに痛むのは、休んでいる間に縮んだ足底腱膜が、体重がかかった瞬間に引き伸ばされるためと考えられています。早い段階でストレッチやインソールなどの対策を始めるほうが改善しやすく、長引いて難治性になってから治療を始めるより負担も少なくてすみます。痛みが2週間以上続く、何度もぶり返す、という場合は一度ご相談ください。

捻挫は、そのままにしても大丈夫ですか?

捻挫は「よくあるケガ」と軽く見られがちですが、実際には足首の靭帯が伸びたり、部分的に切れたりしている状態です。歩けるからといって靭帯の傷が軽いとは限らず、程度によっては一定期間の固定が必要なこともあります。靭帯がゆるんだまま治ってしまうと、足首が不安定になって捻挫を繰り返しやすくなり、長い年月の中で軟骨を傷めて変形性足関節症につながることがあります。ひねったあとの腫れや痛みが数日たっても引かない場合、捻挫を何度も繰り返している場合は、靭帯と関節の状態を一度きちんと評価しておくことをおすすめします。

受診の目安(こんなときはご相談ください)

  • かかと・足の裏の痛みが2週間以上続いている、朝の一歩目の痛みを繰り返す
  • 足首をひねったあと、腫れ・痛みが数日たっても引かない、体重をかけると痛い
  • 捻挫を年に何度も繰り返している
  • 親指の付け根が急に赤く腫れて激しく痛む
  • 足の変形が進んできた、靴に当たって痛くて履ける靴が限られてきた
  • 足のしびれが続いている
  • 歩けても、押さえると強く痛む・腫れが強い(歩ける骨折が隠れていることがあります)

足は毎日休みなく使う場所です。痛みをかばう歩き方が続くと、膝や腰など別の場所に負担が広がることもあります。「これくらいで」と思う段階でのご相談が、結果的に回復への近道になります。

ご自宅でできること(応急処置・セルフケア)

足首をひねった直後の応急処置

ひねった直後は、患部を保護し、冷却・圧迫を行い、足を心臓より高く上げて腫れを抑えるのが基本です(RICE処置)。腫れや熱っぽさのある急性期(受傷からおよそ48時間)はこの対応が中心になります。ただし、冷やしすぎ・安静にしすぎはかえって回復を遅らせる可能性が指摘されており、近年は炎症が落ち着いたあと、痛みのない範囲で少しずつ動かしながら治す考え方が国際的に推奨されています。自己判断で長く安静を続けず、早めに受診して段階的な復帰の道筋を確認してください。

足底腱膜炎・アキレス腱の痛みのセルフケア

ふくらはぎ(アキレス腱)と足の裏のストレッチが基本です。壁に手をついてふくらはぎをゆっくり伸ばす、足の指を反らせて足の裏を伸ばす、といった運動を痛みのない範囲で行います。あわせて、かかと部分がしっかりしたクッション性のある靴を選ぶ、急に運動量を増やさない、体重を管理する、といった負担の見直しも有効です。どの運動が適しているかは足の状態によって異なるため、当院ではリハビリテーションで一人ひとりに合った方法をご案内しています。

よくあるご質問

Q. 足底腱膜炎は自然に治りますか?
A. 多くは保存療法で時間とともに改善しますが、負担が続くと数か月から年単位で長引くことがあります。ストレッチやインソールなど、早めに対策を始めるほうが改善しやすいため、痛みが続く場合はご相談ください。

Q. 足底腱膜炎の体外衝撃波治療は、保険でできますか?
A. 難治性足底腱膜炎(診断から6か月以上経過し、保存療法で十分な効果が得られない場合)に限り保険適用となります。それ以外の場合は自費診療です。詳しくは体外衝撃波治療のページをご覧ください。

Q. 歩けるので、骨折ではないと思うのですが。
A. 足のケガでは、歩ける骨折(剥離骨折・疲労骨折など)が隠れていることがあります。押さえると強く痛む、腫れや内出血が強い、といった場合はレントゲンでの確認をおすすめします。

Q. インソールは作ってもらえますか?
A. 診察で足の状態を評価したうえで、インソールやサポーターによる装具療法をご案内しています。扁平足・開帳足・外反母趾・足底腱膜炎など、アーチの崩れが関係する痛みに用います。

Q. 痛風かもしれません。整形外科で診てもらえますか?
A. はい。急な関節の痛み・腫れは、まず整形外科でご相談いただけます。診察や検査で痛風かどうかを含めて原因を評価し、治療をご案内します。

費用

保険診療の費用は、診察・検査の内容によって変わります。再生医療(自由診療)をご検討の場合の費用は下記のとおりです。

治療料金(税込)回数
白血球除去型PRP(PRGF-Endoret®)110,000円/回3回(7〜10日間隔)
高用量PRP(Angel™ HD-PRP)330,000円1回
MFAT 1部位600,000円1回(当日完結)
MFAT 2部位990,000円1回(当日完結)
培養幹細胞(ADSCs)2,200,000円採取→2〜4週間培養→投与

いずれも自由診療(保険適用外)です。初診・再診料、MRI評価の費用は別途かかります。くわしくは再生医療の料金・治療の流れをご覧ください。日本国外にお住まいの方は料金が異なります。

この治療を受けられる前に(費用・リスク・自由診療について)

本ページでご紹介した治療のうち、保険適用の条件を満たさない体外衝撃波治療、および再生医療(PRP療法など)は公的医療保険が適用されない自由診療です。標準的な費用は体外衝撃波治療・足首の再生医療の各ページに記載しています。体外衝撃波には照射部位の一時的な痛み・発赤など、再生医療の注射には痛み・腫れ・内出血・感染などのリスクがあり、治療効果には個人差があります。当院の再生医療は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づき、再生医療等提供計画が受理されたうえで提供しています(第2種再生医療等:多血小板血漿(PRP)PB7250013/第3種再生医療等:多血小板血漿(PRP)PC7250005/第2種再生医療等:微小細断脂肪組織(MFAT)PB7250025/第2種再生医療等:培養脂肪由来幹細胞(ADSC)PB7250015)。適応の有無は、診察と画像評価のうえで医師が判断します。

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