骨粗鬆症外来(骨密度測定・予防・治療)

骨粗鬆症は、痛みなどの自覚症状が出にくいまま進み、気づいたときには骨折してしまう――ということが少なくありません。当院では、「骨折してからでは遅い」という考えのもと、骨折を起こす前の段階からの予防・治療に取り組む骨粗鬆症外来を行っています。

骨密度測定(DEXA法)・骨代謝マーカー・FRAX(骨折リスク評価)を組み合わせて骨の状態を「数値」で確認し、その結果にもとづいて、お薬・食事や生活のアドバイス・リハビリテーションまでを一貫してご提案します。検査から治療まで、すべて当院内で受けていただけます。

こんな方に受けていただきたい外来です

  • 閉経を迎えた女性の方(一度は骨密度検査をおすすめします)
  • 65歳以上で、骨密度を測ったことがない方
  • 健康診断や人間ドックで骨密度の低下を指摘された方
  • 身長が以前より縮んできた、背中が丸くなってきたと感じる方
  • 軽い転倒やしりもちで骨折したことがある方
  • ご家族に骨粗鬆症の方や、太ももの付け根を骨折した方がいる方
  • ステロイドを長期に使用している方
  • 最近つまずきやすくなった、歩くのが不安になってきた方

骨粗鬆症は、骨折するまで自覚症状がほとんどない病気です。「痛くないから大丈夫」ではなく、「手遅れになる前に」骨の状態を確認しておくことが、将来の骨折予防の第一歩になります。病気そのものの仕組みや骨折の連鎖(ドミノ骨折)については、骨粗鬆症(疾患の解説)で詳しくご説明しています。

当院が骨粗鬆症診療を大切にする理由

健康な骨と骨粗鬆症の骨

骨折、とくに太ももの付け根(大腿骨近位部)や背骨(椎体)の骨折は、歩く力が落ちるきっかけとなり、生活の質を大きく左右します。骨折を防ぐことは、健康寿命(自分の足で歩ける期間)を守ることに直結する――当院はそう考え、骨粗鬆症の早期発見・早期治療を整形外科診療の柱のひとつに位置づけています。

院長は、大学院およびスタンフォード大学整形外科への留学を通じて、骨代謝(骨のつくり替え)を研究テーマとしてきた整形外科専門医・医学博士です。骨の「量」だけでなく「質(つくり替えのバランス)」まで含めて評価するという視点は、この研究経験にもとづいています。

※ ここでご紹介する院長の研究は経歴・専門性を示すものであり、特定の治療の効果を保証するものではありません。

当院の骨粗鬆症の検査

骨の状態を多角的に評価するため、次の3つの検査を組み合わせています。

骨密度測定(DEXA法)――いまの骨の「量」を正確に測る

骨密度測定装置(DEXA法)

2種類のX線を使って骨密度を精密に測定するDEXA法(二重エネルギーX線吸収法)は、骨粗鬆症の診断における標準的な検査です。当院ではGE社製のX線骨密度測定装置(PRODIGY Fuga C)を導入し、骨折の影響が大きい腰椎(背骨)・大腿骨を中心に測定します。かかとや手だけで測る簡易的な方法と異なり、「骨折しやすい部位そのもの」の骨密度がわかるのが特徴です。

骨代謝マーカー(血液検査)――骨の「つくり替えの勢い」を調べる

骨は、古い骨を壊す働きと新しい骨をつくる働きが常に入れ替わっています。血液検査で骨代謝マーカーを測定すると、いま骨が「壊される勢い」と「つくられる勢い」のどちらが優位なのかがわかります。この情報は、どのタイプのお薬が適しているかの選択や、治療を始めたあとの効果判定に役立ちます。なお、骨代謝マーカーは外部の検査センターで測定するため、結果のご説明は後日の再診時となります。

FRAX(骨折リスク評価ツール)――将来の骨折リスクを見積もる

年齢・体格・骨折歴・ご家族の骨折歴などの情報から、今後10年間に骨折を起こすリスクを推定する国際的な評価ツールです。当院では骨密度の数値とあわせてFRAXを計算し、「治療を始めるべきかどうか」の判断材料にしています。

この3つを組み合わせることで、「いま骨がどういう状態か」「将来どのくらい骨折しやすいか」を見える化し、お一人おひとりに必要な対策を根拠をもってご提案します。

骨密度検査は痛くありませんか?時間はどのくらいかかりますか?

痛みはありません。検査台にあおむけに横になっていただくだけで、注射や飲み薬などの前処置も不要です。測定時間はおよそ5〜10分で、検査で受ける放射線の量もごくわずかです。

骨密度の測定結果は、その場で医師から詳しくご説明します。数値の意味(同年代・若い頃との比較)や、いまの骨の状態で何に気をつけるべきかまで、わかりやすくお伝えしますので、初めての方もご安心ください。

受診から治療開始までの流れ

  1. 診察:症状の有無、骨折やご家族の骨折の経験、お薬の使用状況(ステロイドなど)、生活習慣をお伺いします。健診の結果票をお持ちの方はご持参ください。
  2. 検査:骨密度測定(DEXA法)と、必要に応じて血液検査(骨代謝マーカー)・レントゲン検査(背骨の骨折の有無の確認など)を行います。
  3. 結果のご説明:骨密度の結果はその場でご説明します。FRAXによる骨折リスク評価もあわせて、「治療が必要か」「生活の見直しから始めるか」を一緒に確認します。血液検査(骨代謝マーカー)は外部の検査センターへ提出するため、結果は後日のご説明となります。
  4. 治療方針のご提案:検査結果にもとづき、お薬・食事や生活のアドバイス・リハビリテーションを組み合わせた方針をご提案します。

健診で「骨密度の低下」「要精査」と言われたら

自治体の骨粗鬆症検診や人間ドックでは、かかとの超音波検査や手のレントゲンなど、簡易的な方法で骨密度を測定していることがあります。これらはスクリーニング(ふるい分け)としては有用ですが、診断や治療方針の決定には、腰椎・大腿骨をDEXA法で測定した結果が必要です。

「要精査」「骨密度が低め」と言われた方は、まだ骨折していない今こそ、対策を始めるチャンスです。結果票をお持ちのうえ、お気軽にご相談ください。精密な検査で「本当に治療が必要な状態か」を確認したうえで、必要な方にだけ、根拠のある治療をご提案します。

治療の進め方

薬物療法――骨の状態に合わせて選びます

骨粗鬆症のお薬には、骨を壊す働きをおさえるタイプ(骨吸収抑制薬)と、骨をつくる働きを促すタイプ(骨形成促進薬)などがあり、近年は選択肢が広がっています。当院では、骨密度・骨代謝マーカー・骨折歴・骨折リスクの高さをふまえて、「いまの骨のつくり替えの状態」に合ったお薬を選択します。骨折リスクが特に高い方には、骨をつくる働きを促すタイプの治療を検討するなど、画一的ではない治療を心がけています。

薬の種類や作用の詳しい解説は、骨粗鬆症(疾患の解説)をご覧ください。

リハビリテーション――「転ばない体づくり」を並行して

骨粗鬆症による骨折の多くは、転倒をきっかけに起こります。骨を強くする治療とあわせて転倒を防ぐことが、骨折予防の両輪です。当院では理学療法士が常勤しており、

  • 転倒予防のための下肢の筋力トレーニング
  • 姿勢・歩行の指導
  • 骨盤や体幹の安定化運動

などを通じて、転倒しにくい・骨折を繰り返しにくい体づくりをサポートします。あわせて、骨の材料となるカルシウム・ビタミンDなどの栄養や、日光・運動習慣についての生活指導も行います。

治療を始めたあとの継続フォロー

骨粗鬆症の治療は、始めて終わりではありません。当院では、治療開始後も骨密度測定と骨代謝マーカーの検査を定期的に行い、「お薬がきちんと効いているか」を数値で確認しながら治療を続けていきます。効果が十分でない場合には、お薬の変更・追加を検討します。

検査・診察・お薬・リハビリテーションが同じ院内で完結するため、結果を待つために別の医療機関へ行き来する必要がありません。医師だけでなく、放射線技師・看護師・理学療法士がそれぞれの立場から関わる、「測るだけで終わらない」体制で、骨の健康を長く見守ります。

よくあるご質問

Q. 検査の結果はいつわかりますか?
A. 骨密度測定の結果は、検査後その場で医師からご説明します。血液検査(骨代謝マーカー)は外部の検査センターへ提出するため、結果は後日となります。そろい次第、治療方針を確定します。

Q. 検査当日の服装や準備で気をつけることはありますか?
A. 特別な準備は不要です。測定部位にボタン・ファスナー・金属飾りなどが重ならない、着脱しやすい服装ですと検査がスムーズです。

Q. どのくらいの間隔で骨密度を測ればよいですか?
A. 骨の状態や治療内容によって適した間隔は異なります。治療中の方は、効果を確認するために定期的な測定をご提案しています。具体的な時期は診察時にご案内します。

Q. 骨折の治療を他の病院で受けたのですが、その後の骨のケアをお願いできますか?
A. はい、ご相談ください。一度骨折した方は次の骨折が起こりやすいことがわかっており、骨折後こそ骨粗鬆症の評価・治療が大切です。骨の状態を検査したうえで、再発予防のための治療とリハビリをご提案します。

Q. 検査や治療に保険はききますか?
A. 骨粗鬆症の検査・治療は、保険診療で行えるものがあります。詳しくは診察時にご案内します。

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