首でお悩みの方

首が痛くて回しにくい、肩から首にかけてのこりがつらい、腕や手がしびれる、首からくる頭痛がある、交通事故のあと首が痛む――首の症状は、多くの方が経験する身近な不調です。その原因は、長時間のデスクワークによる筋肉の疲労から、頚椎症や椎間板ヘルニアといった整形外科の病気まで幅広くあります。

首の中には、脳から続く神経の通り道(脊髄)と、そこから腕へ枝分かれする神経が通っています。そのため、「ただの首こり」に見える症状の裏に、神経の圧迫がかくれていることがあります。原因によって適した対処が異なりますので、まずは整形外科専門医が診察と画像評価で原因を見きわめます。長引く首の痛み・こりを「いつものこと」と我慢せず、お気軽にご相談ください。

こんな症状はありませんか

首・肩の痛み
  • 首の痛み・こりが続いている、首が回しにくい
  • 首を動かすと、肩や腕まで痛みが広がる
  • 腕や手のしびれ、力の入りにくさがある
  • 首から後頭部にかけての頭痛がある
  • 朝起きたら首が動かせない(寝違え)を繰り返す
  • スマホやパソコンを長時間使うと首がつらい
  • 交通事故のあとの首の痛み(むちうち)

ひとつでも当てはまる場合は、首の筋肉・骨・神経のどこかに負担がかかっているサインかもしれません。

症状のパターンから考えられる主な原因

首の症状は、「どこが・どんなときに・どのように」つらいかによって、考えやすい原因が変わります。

首の痛み・こりが慢性的に続く

デスクワークやスマホの長時間使用などで首まわりの筋肉が緊張し、血流が悪くなると、慢性的な痛みやこりにつながります。中高年の方では、加齢によって首の骨(頚椎)や骨と骨の間のクッション(椎間板)が変化する頚椎症が背景にあることも多く、レントゲンで確認できます。

首から肩・腕へ痛みやしびれが広がる

首の骨や椎間板の変化によって、腕へ向かう神経の枝(神経根)が圧迫されると、首の痛みに加えて、肩から腕・手先にかけての痛みやしびれが出ることがあります(頚椎症性神経根症)。また、椎間板の一部が飛び出して神経を圧迫する頚椎椎間板ヘルニアでも、同じように腕のしびれを伴います。首を反らすと症状が強くなるのが特徴のひとつです。

朝起きたら首が動かない(寝違え)

睡眠中の無理な姿勢などをきっかけに、首の筋肉や関節に急な痛みが出た状態です。多くは数日〜1週間程度で自然に軽快しますが、何度も繰り返す場合や、しびれを伴う場合は、背景に頚椎の変化がないかを確認しておくと安心です。

スマホ・パソコンで首がつらい(ストレートネック)

本来ゆるやかに前へカーブしている頚椎が、うつむき姿勢の積み重ねでまっすぐに近づいた状態を、いわゆるストレートネック(スマホ首)と呼びます。頭の重さ(成人でおよそ4〜6kg)を支える首・肩の筋肉に負担が集中し、首こり・肩こり・頭痛の一因になります。

交通事故のあとの首の痛み(むちうち)

交通事故による首のケガ(頚椎捻挫=いわゆる「むちうち」)は、事故直後には痛みを感じにくく、数日たってから症状が出ることも少なくありません。自賠責保険の手続きを含めた診療の流れは、専用ページでご案内しています。→ 交通事故後の痛み・むちうち

腕や手のしびれを伴う場合は、原因の確認を

首の症状の中でも、腕や手のしびれ・力の入りにくさを伴う場合は、神経の圧迫が関わっている可能性があるため、原因を確認しておくことが大切です。とくに次のような変化は、神経の症状が進んでいるサインのことがあります。

  • 手の細かい動作(ボタンを留める・箸を使う・字を書く)がしづらくなった
  • 腕や手に力が入りにくい、物をよく落とす
  • 歩きにくい、足がもつれる感じがある
  • 痛みやしびれが夜間や安静時にも続く

これらに当てはまる場合は、我慢や様子見を続けず、早めに整形外科を受診してください。レントゲンだけでは椎間板や神経の状態はわからないため、必要に応じてMRIで詳しく評価します。

首こりと頭痛の関係

首や肩の筋肉の緊張は、首から後頭部にかけての頭痛(緊張型頭痛)の一因になることが知られています。首こりの改善とあわせて頭痛が軽くなる方も少なくありません。一方、頭痛には片頭痛などほかのタイプもあり、急に起きた激しい頭痛や、手足の動かしにくさ・ろれつが回らないなどを伴う場合は、脳の病気を調べる必要があります。首の症状と頭痛が重なってお悩みの場合も、診察のうえで適切な診療科をご案内します。

当院の首の診療

当院では、首の症状に対して「正確な診断→保存療法→必要に応じた専門医療機関との連携」という段階を大切にしています。

1. 診察・画像評価で原因を見きわめる

症状の経過、お仕事や生活での首の使い方を丁寧にお伺いし、レントゲンで頚椎の状態を確認します。椎間板や神経の状態を詳しく調べる必要がある場合は、MRI検査を行います(連携施設での検査に対応しています)。「ただの首こり」なのか、神経の圧迫があるのかを見きわめることが、治療の第一歩です。

2. 保存療法(保険診療が基本)

首の症状の多くは、手術ではなく保存療法から治療を始めます。原因に応じて、次のような治療を組み合わせます。

温熱療法(首・肩)
  • 内服・外用:痛みと炎症を抑えるお薬・湿布のほか、神経の圧迫によるしびれ・痛みには神経障害性疼痛治療薬を用いることがあります
  • 局所注射:痛みや炎症を和らげる注射を、症状に応じて行います
  • 運動療法(リハビリテーション):理学療法士が、首・肩甲骨まわりの筋肉をゆるめる運動や、首に負担をかけない姿勢の指導を行います
  • 物理療法:超音波治療・ラジオ波治療・体外衝撃波治療などの機器を、筋肉の緊張や慢性的な痛みに応じて併用します
  • ハイドロリリース:筋肉や筋膜の重なりが痛みに関わっていると考えられる場合に、エコーで確認しながら薬液を注入し、すべりを改善させることを目的とした処置を選択肢としてご提案することがあります。→ ハイドロリリース

このほか、保存療法で改善が不十分な慢性的な痛みに対して、再生医療(PRP療法)をご提案できる場合があります。適応があるかどうかは、診察と画像評価のうえで判断します。※自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。

3. 手術が望ましい場合は専門医療機関へ

手や足の強いしびれ・脱力、歩きにくさなど、神経の症状が進んでいる場合は、手術を含めた専門的な治療が望ましいことがあります。その場合は、連携する専門医療機関へ責任を持ってご紹介します。

ストレートネックは治りますか?

ストレートネックは病名ではなく、姿勢の積み重ねによる頚椎の並びの変化を指す言葉です。骨の並びそのものを短期間で元に戻すことは難しいものの、つらさの主な原因は首・肩まわりの筋肉への負担ですので、姿勢の改善と運動療法によって症状の軽減が期待できます。当院では、理学療法士が一人ひとりの姿勢・体の使い方を評価し、デスクワーク環境の工夫もあわせてご案内します。「骨の形だから治らない」とあきらめる必要はありません。

首の痛みは、手術しないと良くなりませんか?

首が痛い・しびれる=手術、ではありません。頚椎症や椎間板ヘルニアによる症状の多くは、お薬・リハビリ・物理療法などの保存療法で軽快が期待できます。一方で、力の入りにくさや歩きにくさなど神経の症状が進んでいる場合には、手術が適していることもあります。大切なのは、画像評価にもとづいて「いまの首の状態に合った選択肢」を知ることです。まずは診察でご相談ください。

受診の目安(こんなときはご相談ください)

  • 首の痛み・こりが2週間以上続いている、繰り返している
  • 首を動かすと肩や腕まで痛みが広がる
  • 腕や手のしびれ、力の入りにくさがある
  • 急に手や足に力が入らない、歩きにくい(→早めの受診をおすすめします)
  • 手の細かい動作がしづらくなった
  • 痛みが夜間や安静時にも続く
  • 交通事故のあとに首の痛みや違和感が出てきた

とくに、力が入らない・歩きにくいといった症状は、神経の圧迫が進んでいるサインのことがあります。こうした症状がある場合は、様子を見ずに早めにご相談ください。

デスクワーク中にできるセルフケア

こまめに姿勢をリセットする

同じ姿勢が続くこと自体が、首の筋肉への大きな負担になります。30分〜1時間に一度は画面から目を離し、立ち上がる・首や肩をゆっくり回す・肩をすくめて力を抜く、といった動きで筋肉の緊張をゆるめましょう。

画面とスマホの高さを見直す

モニターは目線と同じか少し下になる高さに、スマホはできるだけ顔の高さに近づけて、うつむき角度を減らすことがポイントです。ノートパソコンはスタンドや外付けキーボードの利用も有効です。

温める?冷やす?

慢性的な首こり・こわばりには、温めるケア(温湿布・入浴・蒸しタオルなど)が向いています。血流が良くなり、筋肉の緊張がゆるみやすくなります。一方、寝違えの直後などズキッとする急な痛みには、冷やすほうが向いています。医学的には温・冷どちらも痛みの軽減に有効とされており、症状とタイミングでの使い分けが大切です。

セルフケアを続けても痛み・しびれが良くならない場合は、筋肉以外の原因がかくれていることがあります。自己流を続ける前に、一度ご相談ください。

よくあるご質問

Q. 温湿布と冷湿布、首にはどちらを使えばいいですか?
A. 医学的にはどちらも有効で、明確な優劣はないと報告されています。慢性的な首こり・こわばりには温湿布、寝違えなど急な痛みの直後には冷湿布が向いています。使い心地の好みで選んでいただいても差し支えありません。

Q. 寝違えたときは、揉んだほうがいいですか?
A. 痛みが強い時期に無理に揉んだり動かしたりすると、かえって悪化することがあります。数日は無理のない範囲で過ごし、痛みが引かない場合や、しびれを伴う場合は受診をおすすめします。

Q. 枕を替えれば首の痛みは良くなりますか?
A. 合わない枕が首への負担になることはあり、高すぎない・首のカーブを支える枕が一般的にはすすめられます。ただし、枕だけで解決しない痛みには別の原因がかくれていることもあるため、続く症状は一度ご相談ください。

Q. MRI検査は受けられますか?
A. 連携施設でのMRI検査に対応しています。レントゲンではわからない椎間板や神経の状態を詳しく評価したい場合にご案内します。

Q. マッサージに通っていますが、そのときだけ楽になってすぐ戻ります。
A. 筋肉の緊張を一時的にゆるめても、姿勢や体の使い方、頚椎の変化といった原因が残っていると症状は戻りやすくなります。原因を評価したうえで、運動療法や姿勢指導を組み合わせることをおすすめします。

この治療を受けられる前に(費用・リスク・自由診療について)

このページでご案内している治療のうち、次のものは自由診療(保険適用外)です。ご検討の前にご確認ください。

  • PRP療法:自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は、白血球除去型PRP(PRGF-Endoret®)110,000円/回(計3回が標準)、高用量PRP(Angel™ HD-PRP)330,000円/回(いずれも税込)。料金は1部位ごとに発生します(例:両膝にPRGFを3回で660,000円)。別途、MRI評価・血液検査の費用がかかります。主なリスクは注射部位の一時的な痛み・腫れ・熱感・内出血で、感染等のリスクは低いとされますがゼロではありません。治療効果には個人差があります。用いるPRP調製システムはいずれも国内で承認・認証を受けた医療機器です(Angel™ cPRP System 承認番号 30500BZX00054000/PRGF-Endoret® 認証番号 30500BZI00007000)。
  • ハイドロリリース:自由診療(保険適用外)です。標準的な費用は 5,500円/回(税込)で、部位ごとの加算はありません。主なリスクは注射時・注射部位の痛み、内出血、腫れ、気分が悪くなる・めまい、感染(まれ)、神経や血管の損傷(まれ)、局所麻酔薬(リドカイン)に対するアレルギー(まれ)です。首から背中にかけての部位では、気胸が起こることがまれにあります。治療効果には個人差があります。用いる生理食塩水・局所麻酔薬はいずれも国内で承認を受けた医薬品ですが、筋膜のあいだに注入してすべりを改善させる使い方は、承認された効能・効果の範囲には含まれません(適応外使用)。国内の正規流通経路で入手しており、適応外使用のため、健康被害が生じた場合に医薬品副作用被害救済制度の対象とならないことがあります。
  • 体外衝撃波治療:対象となる疾患・条件により、保険診療となる場合と自由診療(保険適用外)となる場合があります。自由診療の場合の標準的な費用は、初回 5,500円/2〜3回目 8,800円/4回目以降の一連治療 5,500円(いずれも税込・2026年10月改定)。一連の治療は、前回の治療から2ヶ月以内を基準とし、2ヶ月を超えて間隔があいた場合はあらためて初回からの料金となります。主なリスクは照射部位の一時的な痛み・発赤・内出血です。治療効果には個人差があります。用いる機器は国内で承認を受けた医療機器です(BTL-6000 Focus® 承認番号 30300BZX00272000)。
  • 入手経路・国内の承認状況:いずれも国内の正規流通経路で導入しています。医師の個人輸入は行っておりません。くわしくは当院の自由診療についてをご覧ください。

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