抜け毛・薄毛が気になる方へ
「最近、抜け毛の量が増えた気がする」「分け目やつむじの地肌が目立つようになった」「シャンプーのたびに排水口にたまる髪の量が気になる」——そうしたきっかけで、このページをご覧になっている方が多いと思います。抜け毛・薄毛は、決して珍しい症状ではありませんが、その背景にある原因は一つではありません。男性ホルモンの影響でゆるやかに進行する男性型脱毛症(AGA)もあれば、女性の方に多くみられる薄毛、自己免疫の関与が考えられる円形脱毛症、出産や体調の変化をきっかけに起こる一時的な抜け毛、頭皮そのものの皮膚トラブルによるものなど、さまざまなタイプがあります。原因によって、向き合い方も、ご相談いただく治療の考え方もまったく異なります。このページでは、抜け毛・薄毛の主な原因の見分け方と、受診の目安についてご説明します。
保険診療と自由診療、どちらになりますか
この症状は、原因と目的によって保険診療になる場合と自由診療(保険適用外)になる場合があります。 まずは診察のうえで、どちらに当たるかをご説明します。
| どんなとき | ご案内するページ | |
|---|---|---|
| 保険診療 | 円形脱毛症など、病気による抜け毛の場合 | 円形脱毛症 |
| 自由診療 | 加齢・体質による薄毛(AGA)の場合 | 薄毛・抜け毛が気になる方へ |
同じ日に保険診療と自由診療を組み合わせられない場合があります。くわしくは料金案内をご覧ください。
抜け毛・薄毛の主な原因(見分けることが大切です)
抜け毛・薄毛のお悩みは、次のようにいくつかのタイプに分けて考えることができます。まずはご自身の症状がどれに近いか、大まかなイメージを持っていただくことが、適切な相談先を選ぶ第一歩になります。
- 男性型脱毛症(AGA):男性ホルモンの影響を受けて、生え際や頭頂部を中心に、髪の毛が徐々に細く短くなっていくタイプです。加齢とともに進行することが多いとされています。
- 女性の薄毛(FPHL):女性の方にみられる薄毛で、頭頂部を中心に髪全体のボリュームが少しずつ減っていくタイプです。男性型脱毛症とは進み方や現れ方が異なります。
- 円形脱毛症:自己免疫の関与が考えられている脱毛症で、ある日突然、円形やだ円形にまとまった範囲の毛が抜けるのが特徴です。年齢・性別を問わず起こります。
- 休止期脱毛:出産・大きな手術・高熱を伴う病気・急激なダイエット・強いストレスなどをきっかけに、一時的に抜け毛が増えるタイプです。数か月で自然に落ち着くことが多いとされています。
- 頭皮の皮膚疾患(脂漏性皮膚炎など):頭皮のかゆみ・フケ・べたつき・赤みを伴う皮膚のトラブルが、抜け毛の一因になっていることもあります。
- 栄養状態・生活習慣の影響:極端な食事制限や睡眠不足、頭皮への負担が大きいヘアケア(強い引っぱり・熱・薬剤の刺激)が、髪の健康に影響することがあります。
このように、抜け毛・薄毛と一口にいっても原因はさまざまです。自己判断で市販の育毛剤やサプリメントだけに頼り続けるより、まずは皮膚科で状態を確認し、原因を見きわめることをおすすめします。
男性型脱毛症(AGA)とはどのようなものですか?
抜け毛が続く背景に、男性型脱毛症(AGA)が隠れていることがあります。髪の成長期が短くなり、太く育つ前に抜けてしまう状態が続くもので、進み方の速さや範囲には個人差があります。しくみと当院で検討できる選択肢は薄毛・AGAが気になる方へでくわしくご説明しています。
AGAは病気というより、加齢とともに多くの男性にみられる生理的な変化としての側面が大きく、体質(遺伝的な背景)が関わっていると考えられています。ある日突然抜けるのではなく、髪が少しずつ細く・短くなっていくのが特徴で、年単位でゆるやかに進行します。AGAの詳しい原因やご案内できるケアについては、薄毛・抜け毛が気になる方へ(AGA・美容皮膚科のご案内)で詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。
女性の薄毛は、男性の薄毛とどう違いますか?
女性の方の薄毛は、男性型脱毛症とはしくみも見た目の変化も異なります。男性の場合、生え際の後退や頭頂部の局所的な薄毛として現れやすいのに対し、女性の方の薄毛は、頭頂部を中心に髪全体のボリュームが少しずつ減っていく「びまん性(全体的に広がる)」の変化として現れることが多いとされています。生え際が大きく後退したり、地肌が大きく見えるほど進行したりするケースは、男性に比べて多くありません。
女性の方の薄毛には、加齢に伴うホルモンバランスの変化、貧血や甲状腺の病気など全身状態の影響、頭皮への負担が大きいヘアスタイル・ヘアケアなど、複数の要因が関わっていることが少なくありません。原因が一つに定まらないことも多いため、自己判断でケア用品だけに頼るより、皮膚科での診察を通じてご自身の状態に合った向き合い方を考えることが大切です。
円形脱毛症とは違う病気です(見分け方)
抜け毛・薄毛のお悩みの中には、AGAや女性の薄毛とは別に、円形脱毛症が隠れていることがあります。円形脱毛症は自己免疫の関与が考えられている脱毛症で、ある日突然、円形やだ円形にまとまった範囲の毛が抜けるという点が、ゆるやかに進行するAGA・女性の薄毛とは大きく異なります。
見分け方の目安として、次のような特徴があります。
- 進み方:AGA・女性の薄毛はゆるやかに、円形脱毛症は比較的急に症状が現れやすい傾向があります。
- 範囲の形:円形脱毛症は境界のはっきりした円形・だ円形の脱毛斑として現れやすいのに対し、AGA・女性の薄毛は髪全体のボリュームが減っていく変化が中心です。
- 年齢・性別:AGAは主に男性の方にみられ、円形脱毛症は年齢・性別を問わず起こります。
ご自身の症状がどちらに近いか判断がつかない場合は、無理に自己判断せず、皮膚科での診察をおすすめします。円形脱毛症の症状の広がり方・原因・保険診療での治療については、円形脱毛症のページで詳しくご説明しています。
休止期脱毛(一時的な抜け毛)について
出産・大きな手術・高熱を伴う病気・急激なダイエット・強いストレスなどをきっかけに、髪の毛の多くが一時的に成長を止め、数か月後にまとまって抜けることがあります。これを休止期脱毛と呼びます。きっかけとなる出来事から2〜3か月ほど遅れて抜け毛が目立ち始めることが多く、「急に髪が抜けるようになった」と驚かれる患者さまも少なくありません。
休止期脱毛は、AGAや女性の薄毛のように進行し続けるものではなく、多くの場合、数か月から半年程度で自然に落ち着いていきます。ただし、抜け毛が長く続く場合や、量が非常に多い場合には、ほかの原因が隠れている可能性もあるため、自己判断せず一度皮膚科でご相談いただくことをおすすめします。
頭皮の皮膚トラブルが抜け毛の原因になっていませんか?
頭皮にかゆみ・フケ・べたつき・赤みなどの症状がある場合、脂漏性皮膚炎などの頭皮の皮膚疾患が、抜け毛の一因になっていることがあります。この場合、発毛そのものを目的としたケアよりも、まず頭皮の炎症を落ち着かせる治療が優先されます。頭皮の状態を診察し、皮膚のトラブルが関わっていないかを確認することは、抜け毛・薄毛の原因を見きわめるうえで大切なポイントです。
自己判断で頭皮用のケア用品を使い続けるより、かゆみ・フケ・赤みなどの症状を伴う場合は、早めに皮膚科でご相談ください。
抜け毛・薄毛のセルフチェック
次のような変化に気づいたら、一度ご相談いただくことをおすすめします。
- 分け目やつむじの地肌が、以前より目立つようになった
- 抜け毛の本数が明らかに増えた、短く細い毛が増えた
- シャンプーやブラッシングのたびに抜け毛が気になる
- 生え際が少しずつ後退してきたように感じる
- 円形やだ円形に、まとまった範囲の毛が急に抜けている
- 頭皮にかゆみ・赤み・フケなど、皮膚トラブルを伴っている
- 出産・手術・体調不良などのあと、急に抜け毛が増えた
抜け毛は「もう少し様子を見よう」と思っているあいだに進むことがあります。気になり始めた時点でご相談いただくほうが、打てる手は多く残っています。
抜け毛・薄毛は何科を受診すればいいですか?
抜け毛・薄毛は皮膚の状態に関わることが多く、皮膚科が窓口になります。当院では、皮膚科専門医が頭皮・髪の状態を診察したうえで、抜け毛・薄毛の背景にある原因を見きわめることを大切にしています。問診で経過や体調の変化をうかがい、頭皮の状態を丁寧に観察し、必要に応じてダーモスコピー(皮膚の表面を拡大して観察する機器)などを用いて確認します。
診察の結果、円形脱毛症など保険診療での治療が適している場合には、その治療方針をご説明します。AGA・女性の薄毛など、頭皮環境を整えるケアや自由診療での選択肢が関わる場合には、薄毛・抜け毛が気になる方へ(AGA・美容皮膚科のご案内)で詳しくご案内しているような、頭皮環境ケアの入口についてもあわせてご説明することがあります。当院では、頭皮環境を整える入口としてHEALITE(ヒーライト)やメソナJスカルプなどの機器をご案内する場合があります。原因や進行度によっては、より専門的な治療の検討が必要になる場合もあり、その際はあらためて診察のうえでご相談します。
※HEALITE・メソナJスカルプによる頭皮ケアは自由診療(保険適用外)です。効果には個人差があります。 ※妊娠中・授乳中の方は、メソナJスカルプをお受けいただけません。産後の抜け毛でお悩みの方は、まず診察でご相談ください。
ご自宅でできること(セルフケア)
治療の検討とあわせて、日々のケアも大切です。無理のない範囲で、次のことを心がけてみてください。
- 頭皮をこすらない:シャンプーのときにゴシゴシこすったり、爪を立てて洗ったりすると、頭皮への刺激になります。指の腹でやさしく洗い、こすらないようにしましょう。
- 頭皮への強い負担を避ける:きつく結んだ髪型を長時間続けたり、頻繁なヘアアイロン・パーマ・カラーの刺激を重ねたりするのは避けましょう。
- バランスの良い食事と十分な睡眠:極端な食事制限や睡眠不足は、髪の健康にも影響することがあります。
- 紫外線対策:頭皮も紫外線の影響を受けます。帽子や日傘などで負担を軽減しましょう。
- 一人で抱え込まない:見た目の変化が気になり、ストレスを感じやすいお悩みでもあります。気になる症状があれば早めにご相談ください。
自己流のケア用品だけに頼るのではなく、気になる症状があれば、早めに皮膚科にご相談ください。
受診の目安(こんなときはご相談ください)
- 抜け毛の量が明らかに増えた、または急に増えたと感じるとき
- 分け目・つむじ・生え際など、特定の部分の地肌が目立つようになったとき
- 円形やだ円形に、まとまった範囲の毛が急に抜けているとき
- 頭皮にかゆみ・赤み・フケなど、皮膚のトラブルを伴っているとき
- 出産・手術・体調不良のあとに、急に抜け毛が増えたとき
- 自己判断でケア用品を試しても、変化を感じられないとき
抜け毛・薄毛の原因は一つではないため、自己判断で様子を見続けるより、早めに皮膚科でご相談いただくことをおすすめします。
よくあるご質問
Q. 抜け毛の本数は、どのくらいから相談したほうがいいですか?
一般的に、1日あたり50〜100本程度の抜け毛は自然な範囲とされていますが、季節や個人差もあり、本数だけで判断するのは難しい面があります。本数の増減よりも、地肌が目立つようになった、短く細い毛が増えたといった変化に気づいたら、一度ご相談いただくことをおすすめします。
Q. 抜け毛・薄毛は何科を受診すればいいですか?
皮膚の状態に関わることが多いため、皮膚科が窓口になります。頭皮の状態を確認し、原因を見きわめたうえで、対応の選択肢をご説明します。
Q. 抜け毛が増えたのですが、AGAでしょうか?
抜け毛の原因はAGAだけではありません。円形脱毛症のほか、体調や頭皮の状態が関係していることもあり、しくみによって治療の考え方が変わります。まずは診察で見きわめます。AGAと円形脱毛症の違いは薄毛・AGAが気になる方へでご説明しています。
Q. 女性の薄毛にも対応してもらえますか?
はい。女性の方の薄毛は、男性型脱毛症とは異なる原因やパターンで起こることが多いため、まず診察で状態を確認したうえで、ご相談先や向き合い方をご案内します。
Q. 産後の抜け毛は病院に行くべきですか?
出産後の抜け毛の多くは休止期脱毛と呼ばれる一時的なもので、数か月から半年程度で自然に落ち着くことが多いとされています。ただし、長く続く場合や量が非常に多い場合は、ほかの原因が隠れていることもあるため、気になる場合はご相談ください。