ブツブツ・小さなできものが増えた
「顔にポツポツが増えた」「二の腕がザラザラする」「体に小さなものがたくさん出てきた」——
「ブツブツ」という言葉には、非常に多くのものが含まれます。 にきび、湿疹、ウイルスによるもの、加齢によるもの、汗によるもの、毛穴の変化——原因も対応もばらばらです。
そこで、このページでは絞り込む方法をお伝えします。
手がかりは「どこにできたか」です。
部位によって、考えられるものはかなり限られます。まずご自身の当てはまる場所をご覧ください。
保険診療と自由診療、どちらになりますか
この症状は、原因と目的によって保険診療になる場合と自由診療(保険適用外)になる場合があります。 まずは診察のうえで、どちらに当たるかをご説明します。
| どんなとき | ご案内するページ | |
|---|---|---|
| 保険診療 | いぼ・軟性線維腫などの診断と治療 | 軟性線維腫(アクロコルドン) |
| 自由診療 | 見た目を整えることが目的の場合 | ほくろ・いぼ取り|見た目を整える美容治療 |
同じ日に保険診療と自由診療を組み合わせられない場合があります。くわしくは料金案内をご覧ください。
まず、急いだほうがよい場合
多くのブツブツは、急ぐ必要のないものです。ただし、次の場合はお早めにご相談ください。
- 急に、広い範囲に出た(数時間〜1日で全身に広がった)
- 発熱を伴う
- 強い痛みがある
- 水ぶくれを伴い、体の片側に帯状に広がっている
- 押しても消えない赤い点が、脚などにたくさん出た
- のどの違和感、息苦しさを伴う(この場合は救急対応が可能な医療機関へ)
- 飲み始めたお薬がある:薬による発疹の可能性があります
とくに、新しいお薬を飲み始めてから出た発疹は、必ずお伝えください。
部位から絞り込む
顔(額・頬・あご)
にきびが最も多いものです。毛穴に一致した赤いブツブツ、白い芯、黒い点。
ただし、にきびだと思って市販薬を使い続けても良くならない場合、別のものかもしれません。
- 毛のう炎:毛穴に細菌が入って、赤く盛り上がる
- マラセチア毛包炎:背中や胸にも出る、大きさのそろった小さなブツブツ。にきび治療で良くならないのが特徴
- 酒さ:赤みとほてりが主体。にきびの薬で悪化することがあります
- 口のまわりの皮膚炎:口の周囲だけに集中
「にきびの治療をしているのに良くならない」場合は、一度ご相談ください。
目のまわり
- 稗粒腫(はいりゅうしゅ):白く小さな粒。押しても中身は出ません
- 汗管腫:肌色〜やや黄色の小さな盛り上がり。多発します
- 軟性線維腫:やわらかい小さな突起
目のまわりは皮膚が薄く、自己処置で傷が残りやすい部位です。 針でつつく、爪で押し出すといったことは避けてください。
二の腕・太ももの外側
ザラザラして、毛穴に一致した小さな盛り上がり——これは毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)である可能性が高いものです。
- 10代から20代に多く、思春期にはっきりしてきます
- 体質的なもので、家族に同じ方がいることが多い
- 年齢とともに、自然に軽くなっていく方が多くいらっしゃいます
- 痛みもかゆみもありません
この状態でいちばん多い失敗は、こすってしまうことです。ボディスクラブ、ナイロンタオル、ピーリング——摩擦は、かえって症状を強くします。
体幹(胸・背中・お腹)
- マラセチア毛包炎:大きさのそろった、小さなブツブツが多数。汗をかく季節に多い
- あせも:汗をかいたあとに出る、小さな赤い粒
- 軟性線維腫:わきや首まわり
- 脂漏性角化症:茶色く、ザラザラした盛り上がり
首・わき・そけい部
やわらかい小さな突起が多数であれば、軟性線維腫(アクロコルドン)の可能性が高くなります。詳しくは軟性線維腫をご覧ください。
手・足・指
表面がザラザラして硬いものは、ウイルス性のいぼかもしれません。人にうつり、自分の体の他の場所にも広がります。 詳しくはいぼをご覧ください。
手のひら・指の側面
小さな水ぶくれが多数、強いかゆみ——これは汗疱(異汗性湿疹)であることが多いものです。
全身・広い範囲
- じんましん:数時間で場所が変わる、跡を残さず消えるのが特徴。詳しくはじんましんが出る・繰り返すへ
- 薬による発疹
- ウイルス感染に伴う発疹
洗いすぎ・こすりすぎで悪化していませんか
ブツブツを気にされている方に、最も多くみられる悪化の原因です。
「汚れが詰まっているのだろう」「角質を落とせばよいのだろう」——そう考えて、次のようなことをされていませんか。
- 1日に何度も洗顔する
- スクラブ、ピーリングを頻繁に使う
- ナイロンタオルでゴシゴシ洗う
- あぶらとり紙で何度も押さえる
- 爪で押し出す、針でつつく
これらは、ほぼすべての皮膚のブツブツを悪化させます。
理由は共通しています。皮膚のバリアが壊れると、炎症が起きやすくなり、色素沈着も残りやすくなるからです。
とくに毛孔性苔癬(二の腕のザラザラ)では、こすることが症状を強くする最大の要因になります。
では、どうすればよいか
- 泡でやさしく洗う。こすらない
- 洗顔は1日2回程度まで
- 保湿する(脂漏性皮膚炎の場合を除く)
- 触らない、潰さない
- 何であるか分からないうちは、まず判断を待つ
自分で潰さないでください
- 炎症が広がる
- 色素沈着(茶色い跡)が残る
- 陥凹した跡(クレーター)が残ることがある
- 感染する
- もし確認が必要なものだった場合、診断できなくなる
「潰したらきれいになる」ということは、まずありません。
当院での診察の流れ
いつから、どこに、どのように出たか、広がり方、症状(かゆみ・痛み)、これまでに試したもの(市販薬・化粧品・スキンケア)、新しく飲み始めたお薬、生活の変化、季節との関係をうかがいます。
診察では、分布(どこに出ているか)と、ひとつひとつの形を確認します。この2つで、多くのものは判断できます。
必要に応じて、顕微鏡での確認(真菌が関わるもの)や、ダーモスコピーでの観察、組織を採って調べる検査を行うことがあります。
治療は、原因によって大きく異なります。「ブツブツ全般に効く薬」というものはありません。 何であるかを確かめることが、対応の出発点になります。
季節との関係も、手がかりになります
いつ出たかも、絞り込みの材料になります。
汗をかく季節(初夏〜夏)に増えるもの
- あせも:汗をかいたあと、額、首、わき、ひじの内側などに小さな粒
- マラセチア毛包炎:胸、背中、二の腕に、大きさのそろったブツブツ
- 虫刺され
- 汗疱:手のひら、指の側面に小さな水ぶくれ
乾燥する季節(秋〜冬)に増えるもの
- 乾燥による湿疹:すね、腰、背中にカサつきとブツブツ
- 毛孔性苔癬:二の腕のザラザラが目立ちやすくなります
季節を問わないもの
- にきび、軟性線維腫、脂漏性角化症、ウイルス性のいぼ
「毎年この時期になると出る」という方は、そのパターンをお伝えください。 診断の手がかりになりますし、次の年は出る前から対策できます。
「たいしたことない」と思われるかもしれませんが
小さなブツブツで受診してよいのか、と迷われる方がいらっしゃいます。
受診していただいて構いません。
とくに、次のような場合は相談する価値があります。
① 市販薬を1か月以上使い続けている
効いていない薬を使い続けている可能性があります。何であるかが違えば、必要な薬も違います。
② 化粧品を次々に変えている
「肌に合わないのだろう」と製品を替え続けている方が多くいらっしゃいますが、化粧品の問題ではないことがあります。 その場合、何を使っても変わりません。
③ 気になって、つい触ってしまう
触ることで悪化し、跡が残ります。「触らないでいられる状態」にすることが、いちばんの近道です。
④ 人目が気になっている
顔、首、腕——見える場所のブツブツは、毎日の負担になります。医学的な重症度とは別の問題として、私たちはこれを扱います。
何であるかが分かるだけでも、気持ちの負担は変わります。 「良性のもので、放っておいて構わない」と分かれば、それ以上悩まずに済みます。
よくあるご質問
Q. にきびの薬を塗っても良くなりません。
にきび以外のものである可能性があります。 とくに、大きさのそろった小さなブツブツが背中や胸にも出ている場合は、別の原因を考えます。にきびの薬で悪化するものもありますので、一度ご相談ください。
Q. 二の腕のザラザラは治りますか?
体質的なもので、完全になくすことは難しいのが実際です。ただし、こすらない、保湿することで、見た目と手触りは変わります。年齢とともに軽くなる方も多くいらっしゃいます。
Q. 市販薬を使ってもよいですか?
軽いものは落ち着くこともあります。ただし、何であるかによって、必要な薬がまったく違います。 数週間使って変わらなければ、別のものかもしれません。
Q. 目のまわりの白い粒は取れますか?
稗粒腫であれば、対応の方法があります。 ただし、部位が部位ですので、自分で処置しないでください。
Q. うつりますか?
ものによります。 ウイルス性のいぼ、水いぼはうつります。にきび、毛孔性苔癬、軟性線維腫はうつりません。
Q. 何科を受診すればよいですか?
皮膚科でご相談いただけます。急に広い範囲に出た場合、発熱を伴う場合、新しいお薬を飲み始めた場合は、早めにお越しください。