足の親指の付け根が痛い・変形してきた

「靴を履くと親指の付け根が当たる」「夜中に突然、激しく痛み出した」「親指を反らすと痛くて蹴り出せない」——足の親指の付け根は、体重を支え、歩くときに最後に地面を蹴る場所です。負担が集中するため、さまざまな原因で痛みが起こります。

同じ場所が痛んでも、原因によって対応はまったく変わります。 痛風なら数日で治まる代わりに繰り返し、外反母趾なら靴と装具の見直しが中心になります。

まず確認:早めに受診してください

  • 突然、激しく痛み出して赤く腫れた(とくに夜間から明け方)
  • 発熱をともなう
  • ぶつけた・ひねったあとから、体重をかけられない
  • 変形が急に進んだ
  • 糖尿病があり、足に傷や皮膚の変化がある

突然の激痛と赤い腫れは痛風発作の典型ですが、関節に細菌が入った状態でも同じように見えます。発熱をともなう場合は、様子を見ずにご相談ください。

痛み方から考えられること

突然、夜中に激しく痛み出した/赤く腫れて熱をもつ

痛風発作が考えられます。足の親指の付け根に起こることが多く、1〜2日で痛みがピークになり、1〜2週間で自然に治まります。治まっても原因は残っているため、繰り返します。

→ 痛風・偽痛風

親指が小指側へ曲がってきた/付け根が出っぱって靴に当たる

外反母趾が考えられます。じわじわ進み、靴を履いたときに痛みが出るのが特徴です。もともとの足の形(開張足・扁平足)が背景にあることが多くあります。

→ 外反母趾

親指を反らすと痛む/蹴り出しで痛い

親指の付け根の関節そのものが傷んでいることがあります(強剛母趾)。曲げ伸ばしの範囲が狭くなり、階段や坂道、走るときに痛みが強まるのが特徴です。外反母趾と違って、見た目の変形は目立たないことがあります。

付け根の裏側(足の裏側)が痛む/押すと痛い一点がある

親指の付け根の裏には、種子骨という小さな骨が2つあります。ここに繰り返し負担がかかると炎症が起きます(種子骨障害)。ダンス・ランニング・ヒールの多い方にみられます。

指の付け根全体がしびれる・ジンジンする

親指ではなく、2〜4番目の指の付け根に起こる場合は、神経が圧迫されている可能性があります(モートン病)。「小石を踏んでいるような感じ」と表現されることがあります。

朝のこわばりがある/他の関節も腫れている

複数の関節に症状がある場合は、関節リウマチなどの可能性を考えます。足の指から始まることがあります。

→ 複数の関節が腫れて痛む

見分けの手がかり

痛風外反母趾強剛母趾種子骨障害
始まり方突然(夜間)じわじわじわじわじわじわ
赤み・熱感強い靴が当たる部分に乏しい乏しい
痛む場面安静時も靴を履いたとき反らしたとき・蹴り出し体重をかけたとき
見た目の変形なしあり目立たないなし
経過数日で治まり繰り返す続く続く続く

この表は目安です。重なっていることもあります(外反母趾の方に痛風発作が起きる、など)。自己判断せず、診察で確かめることをおすすめします。

足の裏のタコが教えてくれること

親指の付け根が痛むとき、足の裏を見ると原因の手がかりが得られます。

タコ(胼胝)は、繰り返し圧がかかった場所にできます。つまりタコの位置は、その方がどこに体重をかけて歩いているかを映しています。

  • 親指の付け根の内側にタコ:親指に体重が集中しています
  • 2番目・3番目の指の付け根にタコ:親指が使えず、負担が隣に移っています。外反母趾が進んだときによくみられます
  • 足の外側にタコ:親指側を避けた歩き方になっています
  • かかとの外側だけがすり減った靴:着地で足が外に傾いています

タコを削っても、体重のかかり方が変わらなければ戻ります。 削ることより、なぜそこに圧が集中しているのかを確かめるほうが、遠回りに見えて確実です。

糖尿病のある方へ

糖尿病があると、足の感覚が鈍くなり、痛みに気づきにくくなることがあります。同時に血流も落ちやすく、小さな傷が治りにくくなります。

  • タコやウオノメを自分で削らない(傷から感染することがあります)
  • 毎日、足の裏と指のあいだを見る習慣を
  • 靴の中に異物がないか、履く前に確認する
  • 痛くなくても、皮膚の色や形が変わったら受診

糖尿病で通院中の方は、足の変化についてかかりつけの先生にもお伝えください。

当院での診察

  1. 問診:いつから、どんな場面で痛むか、始まり方(突然か徐々にか)、繰り返しているか、靴・運動・立ち仕事、通院中の病気とお薬をうかがいます。
  2. 診察:腫れ・赤み・熱感、押して痛む場所、親指の動く範囲、足裏のタコの位置を確認します。押して痛む一点がどこかは、種子骨障害と外反母趾を分ける手がかりになります。
  3. レントゲン:骨の変形、関節のすき間、種子骨の状態を確認します。
  4. 血液検査:痛風や炎症が疑われる場合に行います。
  5. 関節液の検査:腫れて液がたまっている場合、抜いて調べることで原因を確かめられます。

受診までの間

  • 痛みが強いときは、当たらない靴に替える。 幅にゆとりのあるもの、ひもをゆるめられるものを。
  • 赤く腫れて熱をもっているときは冷やす。 温めると痛みが強まることがあります。
  • タコを削らない。 体重のかかり方が変わらなければ戻りますし、傷になることがあります。
  • 無理に反らすストレッチをしない。 原因によっては刺激になります。
  • 痛風の心当たりがある方は水分を。 ただし飲酒は控えてください。

よくあるご質問

Q. 外反母趾だと言われましたが、突然痛くなりました。
外反母趾はじわじわ痛むもので、突然の激痛は別の原因を考えます。外反母趾のある方に痛風発作が起きることもあります。急に赤く腫れた場合はご相談ください。

Q. 痛くないのですが、変形が気になります。
変形の程度と痛みは一致しません。痛みがなければ、急いで治療する必要はありません。ただし進行を遅らせる工夫はできますので、靴の選び方だけでもご相談いただけます。

Q. 湿布で様子を見てもよいですか?
数日で軽くなるようなら差し支えありません。ただし発熱をともなう、体重をかけられない、繰り返している場合は、原因を確かめることをおすすめします。

Q. インソールは効きますか?
原因によります。外反母趾や種子骨障害では、体重のかかり方を変えることで楽になることがあります。痛風には効きません。 まず原因を確かめてからになります。

Q. 何科を受診すればよいですか?
足の痛みは整形外科が専門です。当院では整形外科専門医が診察し、レントゲンや血液検査で原因を確かめたうえで方針をご提案します。

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