体外衝撃波治療
体の外から衝撃波(圧力の波)を当てて、痛みのある部位に働きかける治療です。
メスを使わず、麻酔も入院も必要ありません。
対象になるのは、主に次のような状態です。
「何か月も続いている、腱や、腱が骨につく部分(付着部)の痛み」
- 湿布や飲み薬を続けたが、変わらない
- リハビリもしているが、抜けきらない
- 手術は避けたい
こうした、いわゆる「難治性」の痛みに対する選択肢のひとつです。
どんな痛みが対象になるか
とくに多いもの
- 足底腱膜炎:かかと・土踏まずの痛み。朝の第一歩が痛い
- 石灰沈着性腱板炎:肩の急な激痛
- テニス肘・ゴルフ肘:肘の外側・内側の痛み
- アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)・鵞足炎
- オスグッド病:成長期の膝の痛み
- シンスプリント:すねの内側の痛み
共通しているのは、「腱や付着部に、繰り返しの負担が積み重なった状態」です。
次のような方に、ご検討いただくことが多い治療です。
- 保存療法(安静・湿布・内服・リハビリ)を続けたが、十分に改善しない
- 注射は避けたい、あるいは効果が続かない
- 手術は考えていない
- 競技や仕事を、続けながら治したい
正直にお伝えしておくこと
この治療について、先に知っておいていただきたいことがあります。
① 1回では終わりません
数回にわたって、間隔をあけて行うのが一般的です。
② 効き方には個人差があります
全員に効くわけではありません。 効果を感じられない方もいらっしゃいます。
③ 治療中に痛みを伴います
衝撃波を当てている間、痛みを感じます。 我慢できない場合は、出力を調整します。「まったく痛くない治療」ではありません。
④ これだけで完結する治療ではありません
なぜその腱に負担が集中したのか——そこを変えなければ、繰り返します。
当院では、リハビリテーションと組み合わせて進めます。衝撃波は、痛みを下げて、動かせる状態をつくるための手段という位置づけです。
「打てば治る」ものではない——これは、はっきり申し上げておきます。
治療の進め方

① 診察・検査
まず、その痛みが何によるものかを確かめます。レントゲン、超音波(エコー)で状態を確認します。
衝撃波が適している状態かどうかを判断します。
② 保存療法を十分に行います
いきなり衝撃波から始めることはありません。
安静、外用薬・内服薬、リハビリテーション、装具や靴の見直し——まず、こうした基本的な対応を行います。
それでも改善が乏しい場合に、ご提案します。
③ 治療
1回あたり数分から十数分です。
麻酔は使いません。 治療後、すぐにお帰りいただけます。
④ 経過の確認とリハビリテーション
衝撃波と並行して、リハビリを進めます。
受けられない方・注意が必要な方
次の方は、受けていただけません。
- 妊娠中の方
- 出血しやすい状態の方(血が止まりにくい病気、血をさらさらにする薬を使用中)
- 治療部位に感染・腫瘍がある方
- 成長期の骨端線(成長軟骨)そのものに当たる部位
- ペースメーカー等の医療機器を使用されている方(機種により判断します)
必ず、持病・お薬・体内の医療機器についてお申し出ください。
治療後について
- 当日から日常生活は可能です
- 治療直後に、一時的に痛みが強くなることがあります
- 赤み、腫れ、内出血が出ることがあります。多くは数日でおさまります
- 激しい運動は、しばらく控えていただくことがあります
「治療を受けたから、すぐに全力で動ける」ということではありません。 段階的に戻していきます。
なぜ、腱の痛みは治りにくいのか
「もう半年も痛い」「湿布も飲み薬も試した」——このようなご相談が、この治療の対象になる方には多くあります。
腱や付着部の痛みが長引くのには、理由があります。
① 血の流れが乏しい組織です
筋肉と違い、腱は血管が少ない組織です。そのため、修復に時間がかかります。
② 使わずにいられない場所です
かかと、肘、肩。日常生活で必ず使います。 完全に休ませることが難しく、治りかけては、また負担がかかる——これが繰り返されます。
③ 炎症が、途中から別のものに変わります
痛み始めの時期は「炎症」ですが、長引くと、組織そのものが変性した状態になります。
この段階になると、炎症を抑える薬は効きにくくなります。 「湿布が効かなくなった」と感じられるのは、このためです。
衝撃波は、この段階に対して働きかける治療として位置づけられています。
受けるかどうか、迷われている方へ
次のように考えていただくとよいと思います。
受ける価値がある場合
- 保存療法を、十分な期間やった(数か月)
- それでも、日常生活や競技に支障がある
- 手術は考えていない、あるいは手術の前に試したい
- 通院を続けられる
まだ早い場合
- 痛くなって、まだ日が浅い
- リハビリをきちんとやっていない
- 靴や体の使い方に、手をつけていない
「まず、やるべきことが残っています」とお伝えすることがあります。
適していない場合
- 痛みの原因が、腱ではない(神経、関節、他の病気)
- 禁忌にあたる
まず診察を受けていただき、そこから判断します。 診察だけで終えていただいて構いません。
料金(税込)
| 内容 | 料金(税込) |
|---|---|
| 集束型体外衝撃波(BTL-6000 Focus®)単独照射 | 5,940円〜 |
難治性足底腱膜炎(診断から6か月以上が経過し、保存療法で十分な効果が得られない場合)では、保険適用となることがあります。 それ以外は自由診療(保険適用外)です。どちらになるかは診察のうえでご説明します。
PRP療法と組み合わせる場合の費用は、Bio-Mechano Therapyをご覧ください。
日本国外にお住まいの方は料金が異なります。
ご注意いただきたいこと
① 費用について
体外衝撃波治療は、対象となる疾患・条件により、保険診療となる場合と自由診療(保険適用外)となる場合があります。保険診療の場合は負担割合に応じたお支払いです。自由診療の場合の標準的な費用は、初回 5,500円/2〜3回目 8,800円/4回目以降の一連治療 5,500円(いずれも税込・2026年10月改定)です。一連の治療は、前回の治療から2ヶ月以内を基準とし、2ヶ月を超えて間隔があいた場合はあらためて初回からの料金となります。
② 主なリスク・副作用
- 治療中の痛み
- 治療後、一時的に痛みが強くなること
- 赤み、腫れ、内出血、しびれ感
- まれに、皮膚のトラブル
- 効果には個人差があり、改善が得られないことがあります
③ 使用する医療機器について
当院で用いる集束型体外衝撃波治療器は、国内で承認を受けた医療機器です(BTL-6000 Focus®/承認番号 30300BZX00272000)。未承認の医療機器は使用しておりません。
④ 入手経路
国内の正規流通経路で導入しています。医師の個人輸入は行っておりません。くわしくは当院の自由診療についてをご覧ください。
⑤ そのほか
- 1回で完結する治療ではありません
- 保存療法・リハビリテーションと組み合わせて行います
- すべての方に適しているわけではありません
担当について
院長は、JAMST(日本体外衝撃波医学会)の運動器体外衝撃波治療施術者認定を取得しています(2025年)。
適応の判断、出力の設定、当てる位置——これらは、痛みの原因を診断したうえで決めるものです。
診断と治療を、同じ医師が続けて行います。
よくあるご質問
Q. 痛いですか?
痛みを伴います。 当てている間、響くような痛みを感じます。我慢できない場合は、その場でお伝えください。 出力を調整します。
Q. 何回くらい必要ですか?
数回にわたって、間隔をあけて行うのが一般的です。状態によりますので、診察でご説明します。
Q. すぐに効きますか?
1回で大きく変わる方もいれば、数回かけて少しずつという方もいます。 効果を感じられない場合もあります。
Q. 手術の代わりになりますか?
手術が必要な状態を、この治療で置き換えられるわけではありません。 ただし、手術を検討する前の選択肢として考えていただけることはあります。
Q. 保険は使えますか?
対象となる疾患・条件により、保険診療となる場合があります。保険の対象にならない場合は自由診療(保険適用外)となり、費用は上記のとおりです。診察のうえでご案内します。
Q. スポーツを続けながら受けられますか?
状態によります。 完全に休むべき時期がある一方、続けながら進められる場合もあります。「続けたい」というご希望は、遠慮なくお伝えください。
Q. リハビリも受けたほうがよいですか?
おすすめします。 なぜその腱に負担が集中したのかを変えないと、繰り返します。
Q. Bio-Mechano Therapy とは違うのですか?
Bio-Mechano Therapy は、衝撃波とPRPを組み合わせた治療です。本ページは、衝撃波単独の治療についてご説明しています。詳しくはBio-Mechano Therapyをご覧ください。