院長 遠矢 政和

院長 遠矢 政和

遠矢 政和(とおや まさかず)
天神トオヤクリニック 院長/整形外科専門医/医学博士

1986年、鹿児島県生まれ。九州大学医学部を卒業後、整形外科医として関節の診療にあたりながら、変形性関節症と関節リウマチの基礎研究に取り組んできました。2021年から2年間、スタンフォード大学整形外科で慢性炎症と骨代謝の研究に従事し、帰国後の2025年7月、当院を開業しました。

整形外科医になりたいと思ったのは、中学生の頃でした

「医者になりたい」ではなく、最初から「整形外科医になりたい」と思っていました。

理由のひとつは、育った環境です。鹿児島の田舎町で、小さなお子さんからご高齢の方まで、年齢も性別も問わずに診る——そういう整形外科のあり方に魅力を感じていました。

もうひとつは、自分自身が患者だったことです。長く競泳をしていて、痛みが出るたびに通ったのが整形外科でした。そこで働く先生たちが、楽しそうに見えたのです。

整形外科は「機能改善外科」と呼ばれます。痛みが引いていく、動くようになる——結果が目に見える。 そこにやりがいを感じて、今に至ります。

大学は九州大学を選びました。 将来、福岡でクリニックを開きたいと考えていたからです。地域を知るという意味でも、この土地で学ぶことに意味があると思いました。

手術以外の選択肢を、どうつくるか

大学院では、軟骨と滑膜——関節をかたちづくる組織の基礎研究を行いました。ヒトの軟骨細胞や滑膜細胞を使い、変形性関節症や関節リウマチに対して、手術ではない新しい治療法を探す研究です。

博士論文のテーマは「GRK5という酵素の働きを抑えると、関節リウマチの滑膜の炎症が抑えられるか」というものでした。動物モデルを用いた基礎研究です。

研究を続けるなかで、ひとつの見立てにたどり着きました。変形性関節症と関節リウマチ、この二つに共通しているのは「慢性炎症」ではないか。

そのタイミングで、当時の教授からスタンフォード大学整形外科への留学のお話をいただきました。紹介されたラボが取り組んでいたのが、まさに「慢性炎症と骨代謝」でした。

コロナ禍のさなかで、行くかどうかは家族とずいぶん話し合いました。それでも、これまで続けてきた研究を先へ進められる場所だと感じ、渡米を決めました。

なお、大学院での直接の指導教官は赤崎幸穂先生です。研究の機会をいただいた中島康晴教授にも、この場を借りて感謝を申し上げます。

スタンフォードで学んだのは、研究の内容だけではありませんでした

2021年10月から2023年9月まで、スタンフォード大学整形外科 Goodman Lab(Stuart B. Goodman教授)に在籍しました。

印象に残っているのは、研究そのものよりも「研究をどう回すか」でした。日本の大学院では、指導教官が方向を示してくれます。しかし向こうでは、テーマを組み立て、発表し、予算を引き、スケジュールを引き、研究資金を自分で獲得する。 そのすべてが自分の仕事でした。

成果が出れば評価される。出なければ、どれだけ名前のある研究者でもラボを畳むことになる。厳しい世界だと感じました。

診療方針や患者さんへの向き合い方が、留学で大きく変わったわけではありません。ただ、幹細胞を用いた研究を通して、細胞を使った治療は、正しい手順で行えば効果が期待できる——その医学的な根拠を、自分の手で確かめることができました。

この治療を、正しいかたちで届けたい。 その思いが、開業につながっています。

「歳のせい」で終わらせないために

患者さんに知っていただきたいことが、ひとつあります。

痛みや動きにくさを「歳のせい」で片付けてしまうと、そこで止まってしまうということです。

なぜ痛むのか。何が起きているのか。そこに「慢性炎症」や「炎症性老化(inflammaging)」といった病態が関わっているのなら、アプローチできる余地があります。 PRP療法や幹細胞治療といった、手術以外の選択肢もそのひとつです。

もちろん、すべての方に当てはまるわけではありません。まず必要なのは、正確な診断です。

他院でPRPを受けたが効かなかった、という理由で来られる方もいらっしゃいます。そうした場合も、診察・レントゲン・MRIで、今の症状の原因が何であるのかを評価するところから始めます。 どんな治療を選ぶかより、そちらのほうが大切だと考えています。

骨折してからでは、遅いのです

骨粗しょう症の診療に力を入れています。

高齢化が進む日本で、最も大切な予防治療のひとつだと考えているからです。

骨がもろくなっていく間、自覚できる症状はほとんど出ません。だから「まだ大丈夫」と思ってしまう。けれど、折れてからでは戻せないものがあります。

「まだ大丈夫」ではなく「手遅れになる前に」。少なくとも当院の診療圏からは、骨がもろくなったことで起こる骨折をなくしたい——それくらいの気持ちで取り組んでいます。

留学中の研究テーマが骨代謝でしたので、基礎の面からも、臨床の面からも、腰を据えて向き合える分野です。

体外衝撃波は、スタッフと一緒に学びました

開業前、「手術以外の選択肢」を探すなかで体外衝撃波治療を知りました。

やるのであれば、きちんと勉強して、根拠を持って取り組みたい。 そう考えて、当院の理学療法士2名とともに東京で認定試験を受け、2025年9月、3名で日本体外衝撃波医学会(JAMST)の運動器体外衝撃波治療施術者認定を取得しました。

スポーツと関わり続けています

日本水泳ドクター会議に所属しています。スタンフォード留学中に世話人の先生と知り合ったことがきっかけでした。自身が競泳をしていたことをお話ししたところ、お誘いをいただきました。

アスリートの選手生命は短いものです。その限られた時間に、できるだけ早く戻るための手立て。 そして、競技を離れても長くスポーツを続けたい方が、自分の体を保つための手立て。どちらにも関わっていきたいと考えています。

経歴

学歴
2005年3月 ラ・サール高等学校 卒業
2006年4月 九州大学医学部医学科 入学
2012年3月 同 卒業

職歴
2012年4月 九州中央病院 初期臨床研修医
2014年4月 九州大学医学部附属病院 整形外科
2015年4月 国立病院機構 九州がんセンター 整形外科
2016年4月 遠賀中間医師会おんが病院 整形外科
2017年4月 九州大学 整形外科 臨床大学院
2021年10月 スタンフォード大学 整形外科 Postdoctoral Fellow(米国カリフォルニア州)
2023年10月 国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 整形外科
2024年4月 国立病院機構 九州医療センター 整形外科
2025年7月 天神トオヤクリニック 開業

資格・学位
2012年3月 医師免許取得(第106回医師国家試験)
2019年3月 日本整形外科学会 専門医
2021年9月 医学博士(九州大学)
2023年9月 Postdoctoral Fellow Certification(Stanford University School of Medicine, Department of Orthopaedic Surgery)
2025年9月 日本体外衝撃波医学会(JAMST)運動器体外衝撃波治療施術者認定

所属学会
日本整形外科学会/日本リウマチ学会/日本軟骨代謝学会/Orthopaedic Research Society/日本炎症・再生医学会/日本水泳ドクター会議/日本抗加齢医学会/日本再生医療学会

受賞
2020年度 緒方記念科学振興財団 助成事業助成金
ARCO 2022 Best Presentation Award(共著)

学術業績

査読付き英文論文への筆頭著者・共著者としての発表、および国際学会での発表を継続して行っています。

一覧は別ページにまとめています。

なお、これらは研究上の業績であり、当院で受けられる治療の成績を示すものではありません。 治療の内容・費用・リスクについては、各治療ページをご覧ください。

休日のこと

趣味はゴルフです。「ゴルフ侍」という番組があって、いつか出られないかと思いながら打ち込んでいた時期がありました。帰国してからはなかなか行けていないのですが、落ち着いたら少しずつ再開したいと思っています。

休日は、近くの海に行ったり、旅行に出たり。子どもたちにできるだけいろいろな経験をさせたいと思って過ごしてきました。最近は塾のほうが忙しくなってきて、遠出が減ったのが少し残念です。

留学時代に家族ぐるみで親しくなったご家族が何組かあり、年に数回、日本のどこかで集まることがあります。子どもたちが大人になってからも、この関係が続けばいいなと思っています。

義理の両親が子どもたちを見てくれているときに、妻と食事に出ることもできるようになりました。子どものいない空間で話をする時間も、大切だと感じています。

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